2015年観た映画ランキング
さて、昨年も「1年間で劇場で50本、1週間1本の計算で映画を見よう。」という目標を立て、結果55本の作品を鑑賞しました。自分の記録として、2015年に見た映画のランキングにtwitterなどに上げていた寸評を合わせてまとめてみようと思います。
以下注意書き
・映画館で見たから、本数を見たから偉いという訳ではないですし、このランキングが絶対という訳ではありません。感想含め、あくまで僕の主観です。
・このランキングは「現時点で振り返ってみると大体こんな感じ」という程度の気軽さでつけています。今後順位が上下する事は大いに有り得る、大雑把なランキングであるという事をご承知ください。
・寸評中にはネタバレも含まれますので、ご了承ください。
しかし、最後。子供が出来、引退するというブライアンが砂浜で家族と戯れる様を、もう一つの「家族」達が優しい笑顔で見守る。ドムは語る。「家族が彼の居場所だ。」ああ、ドムが認めてしまった。本当にブライアンは足を洗ってしまうんだ……。
4位:劇場版 PSYCHO-PASS
僕が日本の映像で見たかったけれど、今まで見れなかったもの、僕がPSYCHO-PASSという物語で見たかったものが全部詰まったハイパー幕の内映画でした。やったね!
TV版でもえらい凝った近接戦闘シーンがあって、何度も巻き戻して舐めるように見たものですが、本作もアバンから凄かった……。ギノさんの小手返しテイクダウンだけで、もううっとり。銃の描写も凄くてねぇ、こんなにアクション周りが凝ったアニメちょっと無いですよ! 思わず惚れ惚れしちゃう位に見事な、敵の傭兵軍団の殺しの描写や、狡噛とギノさんvs傭兵隊長ルタガンダの変則タッグ戦など、ホントこの作品は「エンタメ映像としての見栄え」と「格闘技術のリアリティ」が共存したアクションの殺陣を組んでくれるんです。鑑賞中何度も絶頂したね俺ぁ。
TVシリーズで大きく成長した朱も、さらに女傑ぶりを発揮して、強い女好きとしてたまらんかったですわい。「シビュラ否定派だけれど、平和的な社会を成り立たせるのに、現状はこのシステムが有効だというのも理解している。だがその統制を享受し続けてはならない。人間はこれまでもより良い社会を目指し、連綿と歴史を営んできた。遠い未来になるかもしれないが、必ずシビュラを必要としない世界が作られる。私は人間を信じる。」というのが、TV版後編からの常守朱というキャラクターの一貫したスタンスなのですが、クライマックスはその集大成だったという思いです。朱の高潔さと、台詞の俺納得度の高さが極に達して、なんだかおじさんは涙が止まらんくってねぇ。
劇場に6回観に行ったので「あ、ここの演出変だな」とかいらん事も気づいてしまいましたがw、それでも2015年ベストアニメ映画ですわん。
ジョン・デュポンのやった事は許される事ではありません。が、どう足掻いても埋められない空虚さ、あれに耐え切れる人間まどいないだろうと思うと切なくて切なくて。生まれてこの方、人への交わり方・愛され方・愛し方を知らず、覚える事もできなかった50近い男。しかも矢鱈に凄まじい権力とお金とがあるものだから、皆線を引いて踏み込んでこないんだもん。そりゃどうにもならんよ……。
余談ですが、今のアニメやドラマのキチガイって判りやすさ重視なのか、甲高い奇声を上げるハイテンションキャラという陳腐な類型に陥りがちですけど、本作のスティーブ・カレルみたいな本当におっかないキチガイも見てみたいなぁ。チャレンジ求む!
そんな上手い事行くかい!っていっちゃえばそれまでだけれど、テンポの良さと楽しい音楽で盛り上げてくれるんで、気持良くノれてハッピーになれるんですよね。料理人と映像作家、畑は違えどファブローの主張そのものの台詞にもグッと来た。オススメ!
正直「え、これでいいの?!」という粗さ・雑さは多い。けれど、「これ好きだなぁ!」という加点ポイントが上回って、僕は楽しく見れました。その粗が気にならないか否かでだいぶ評価が変わってくるような気がしますね。
しかしシャールト・コプリーがモーキャプと声を演じるチャッピーは愛おしいなぁ。キレた時のムキーッ!と癇癪起こしてる様・声も好き。過ぎた力を持て余す子供が、何するかわからん感じの不気味さ! あ、耳が感情に合わせてシャコシャコ動くのも犬みたいで可愛いw
ニンジャ&ヨーランディの、本業の方にしか見えないギャングスタぶりも◎。色んなSF作品のオマージュ、そして自身の作品のセルフオマージュも色々散りばめてあるので、その辺も楽しかったです。
役と年齢の近い無名の役者が中学生を演じているので、役の色がついてない彼らからは他出演作品からのイメージを読み取る事ができません。故にこのキャラはどういう役目なのか、ドラマがどう転がるのかという道筋が読みにくく、スリリングでした。既に名のある眉目秀麗な役者を本作に起用していたとしたら、年齢も相まってこの「中学生っぽさ」は出せず、ファンタジーに見えちゃって興ざめなんだろうなと思います。
その無名キャスト達が演じる生徒たちは皆、ちゃんと個性的で魅力的に描かれているのだから大したものです。柏木役の望月歩くんの表情は、本当に薄っ気味悪くてねぇ。涼子を糾弾するシーンの台詞は、スクリーンの前の僕らにも投げかけてる台詞でもあるんだろうけど、その表情も相まってドキッとさせられた。
流石に流行のFPSゲームを意識したようなカットはなかったけれど、極めて真っ当な現代的戦争映画の映像に仕上がっていて、イーストウッドよ、老いて尚こんなの撮るんだなぁと驚き。発砲音の響きも心地よいですね。
戦争の英雄として祭り上げられる男も、戦場での現実と家族との間で揺れて……というありがちな描写よりも、たまに主人公のクリスがポロっと無自覚に、観てるこっちが「えっ?」と思っちゃうような、野蛮で過激な発言をしちゃうのね。そっちの方がよっぽど怖くて反戦的な表現だと思った。どっか壊れてまうねんなぁ。
セルルックCGによるキャラクターも素晴らしい。ここまで表現できるのかとシビれました。イオナ戦後、膝を抱えて座るコンゴウの脚の曲線の艶かしさと言ったら! CGキャラ独特の違和感を感じさせないというのは現在の技術的には難しい事なのかもしれませんが、鑑賞者にとってはそれが最低限のハードルなんです。それの違和感をクリアして初めて、鑑賞者は物語にのめり込めるし、キャラに思い入れも託せるんです。
新作シーンについては、ラストに引きで見せてくれた霧の艦隊勢揃いの絵が印象的ですね。これ次で終わるの?! って心配しちゃう位にスケールのデカい絵でした。劇場版はこうでなくっちゃ。
とはいえあれだけ登場人物がいるのに、全キャラに見せ場を作り、原作を踏まえた含みを持たせたオリジナルストーリーを構築し、興行的な理屈も折り込み(韓国ロケはMCUが大当たりしてる韓国市場への目配せでしょう)、そして後のシリーズに対しての仕掛けを作る。2時間半でこれだけの事をちゃんと纏めて、しかも見にくくない作りになっているという、ジョス・ウェドンとケヴィン・ファイギの手腕たるや。
なによりお栄さんが素敵でした。板津匡覧さん(電脳コイル!)による、太眉&下唇をひねたようにやや出すというヒロインらしからぬキャラデザが、お栄の性格を物語ってましたねー。演ずる杏さんの芝居も、アニメ基準だととやや硬さがある気もしましたが、合ってましたね。
このキアヌのカンフー+銃(ガン)アクションを“ガンフー”などと称しているようですが、特別トンデモな要素もなく。今時のアクションらしい無駄の無いCQB格闘に映画的ケレンという無駄を足したような殺人術でしょうかね。キアヌが斜線を定めるのが異様に早いのが格好良かったですね。インドアのCQBテクニックである、胸の前で腕を畳むハンドガンの構えはあまり画面映えしないかと思いましたが、高速かつ正確に相手を狙い、連続で確殺していく手際の良さも相まって、達人感の表現になってましたね。惚れ惚れします。
その他、絵的に気が利いている見せ方も多々あり、低予算そうなのに得したもの観た儲けモン感高かったです。ウィレム・デフォーの使い方も◎。終盤の車中からの銃撃には、何もそこまで!とも思いましたが、面白い!
ただこの映画、徒手空拳のステゴロバトルになるとなんだかかったるいんですよね。もっさりしてるというか。お陰でクライマックスバトルがなんとも盛り下がるという……ラストが割りと好みなので僕は救われましたが、あれはいけませんや。
もっとソロとクリヤキンのレベルの高いアクションを個人的には見たかった…とは思うのだけれど、ブロマンス風味はたっぷりで満足できました。悪女役のエリザベス・デビッキたん見目麗しい……『華麗なるギャツビー』リメイク版以来のファンなんですよ。
主演のカンバーバッチは、同じく変人キャラではシャーロック・ホームズという当たり役がありますが、それとは全く趣きの違う繊細さを感じさせるお芝居でしたね。“オジマンディアス”マシュー・ボーンの伊達男ぶりも相変わらず。
うーん、難しいぞw ある男の再起を描いた物語としてや、ほぼ1カットの様に見える絵作りは面白いけれど、今のブロックバスター映画批判のような主張は納得できぬというか、それをテーマにするのは内輪の話すぎませんかというか(テーマではなくって、単なるドラマ作りの為の舞台装置なのかもしれませんが)
出てくる人間もロクなのいない(あの最高に最低な批評家精神の婆さんは見てて相当イライラしました)し、嫌いな要素プンプンではあるのですが、それでも掻き立てられるドラムソロのBGMや、ひょいと挟まれる可笑しみ、いちいち主人公を睨むバードマンのポスターなど膝を打つ要素も散見されて、なんだか見ていて愛憎半ばしてしまった作品でした。脚本の言葉選びのセンスもいいし、撮影監督がアルフォンソ・キュアロン作品でお馴染みのエマニュエル・ルベツキなのは、メキシコ同郷組のよしみも感じてニヤニヤもできるのです。
しかしラストがよく判らない。主人公は弾倉に弾が込められている事を確認してから拳銃を使い、確実に頭を撃ち抜いたように見えた。それが実は鼻を撃った、だって? そんなバカな。その後の投身?についてもどういう意味合いの表現なのか謎。
ラブライブも勢いのあるコンテンツですし、劇中世界のファンの要請でμ’sを継続させるというストーリーも作れたハズです。けれどきっちりケジメをつけたのは、製作陣の誠実さではなかろうかと(勿論、その後声優グループとしてのμ'sの解散も発表されましたし、良いタイミングではあったのでしょう)。デカいコンテンツでの爽やかな幕引きを久しぶりに観た気がして、なんだか清々しいですね。
一言言うせてもらうなら、NYに行く事にもっと必然性を持たせて欲しいとは思いました。とはいえTVではできないリッチな絵を、風景を見せるというのも劇場版の役目ですから、それを果たす舞台としては大いに機能したのかな、と。
そういうタートルズの面々の、ポップであっかるいティーンな空気が魅力なんですよねぇ。見てるだけで各メンバーの個性は伝わって来ますが、それが際立つエピソード(特にレオとラファの)がもう一つあるとメリハリもついて良かったかも。
しかし終盤のハイスピードアジト脱出からは実に爽快。その終盤の加点もあって、総じて見てみれば楽しい作品でした。が、マーベル映画なんかがヒーロー映画の水準をグググと上げちゃってるので、物足りなさを感じちゃうのも正直な所かなぁ。
しかし、兄弟のように育てられた果てに、民族を分けて相争う事になったモーゼとラムセスの物語を描いておいて、ラストクレジット前に自殺した弟、トニー・スコットへの哀悼の意を示したリドリー・スコットの心中とは……と、作品と離れた所で色々考えちゃったよ。
僕はT3が正直嫌い。シュワが老いを見せ始めて、それを全然隠しきれてないのに、昔通りの無敵のアンドロイドを演じていて観てて只々辛いんだもん。老わないハズのアンドロイドに老いを感じてどーする。今回のT800はガワの肉体組織が経年と共に老けるという設定なので、今のシュワちゃんが演じるのに都合よし。『ラストスタンド』以降のシュワはその老いを背負い、味方にして役を演じてるから無理がないし、だから観てるこっちも乗れるんだよね。そういえば自分の「老い」への言及、途中で盗むバス、ハイテクぶりを遺憾なく発揮するラスボス・T3000に対して、昔ながらのアナログな戦い方を挑む等々、妙に『ラストスタンド』感あったねw
あとサラ・コナー役のエミリア・クラーク! 『ゲーム・オブ・スローンズ』で蛮族に嫁入りしてた時は全然そう思わなかったけど、今回の顔つき、やたらに初代サラ・コナーのリンダ・ハミルトンに似てない?! 頬骨の線とか目とか。それを見越してエミリア・クラークをキャスティングしてたんならすげーなーと思う……けれど、戦う日が来る事を知ってたのに、ぷにぷに二の腕なのはちょっと納得いかんぞw そこは2のリンダ・ハミルトンリスペクトで体作って欲しかった…!
ジェットコースターで襲い来るピンチの連続、結構ハラハラはさせてくれるのですが、欲を言えば見せ方にもう一つインパクトが欲しかった。振り切った、語り草になるシーンがあればな、とも思いましたが予算的にもこんなものか。
とはいえカミさんが夫に「若い頃描いた理想の人生より、母親になるというかけがえのない経験ができた今がずっと良い。そんな人生を与えてくれたあなたに感謝している」と語る家族愛のシーンにグッと来てしまうあたり、僕ももう年やもしれぬ。
ピアース・ブロスナン(老けたなぁ!)のあっさり気味な活躍には若干膝カックン食らったような肩透かし感あったけれど、良いキャラでした。英国版CIA(MI6の事でしょうなぁ)という設定はボンド俳優についてまわる宿命かw
ラストバトルも4人の協力戦法は描かれるものの、なんだかもっさり。MCUのキレキレアクション後の作品でこれは物足りないんじゃない? 超能力バトルの中、リードのゴム殺法の扱いにも苦慮した感が見えるw
ドニーが敵に三角絞め→相手の動きに合わせて腕十字に切り替え→再度三角にトライ→そのまま相手に壁に叩きつけられたので、離れ際に相手の足を取って足関節、なんてムーブを出してくるんだもん。いやぁ、格闘表現のチャレンジは評価したいです。勿論例のドニー百烈拳や飛び回し蹴りもあり。いやぁ、贅沢!
芸能人声優も、役には合っていたのですが、所々聞き取りにくい所があり、やっぱアニメと実写の声の出し方ってちゃうねんなぁと改めて感じた次第。芸能人でも声優でも、声だけでの表現はもっとアーティキュレーションを確かにして欲しいです。
いや、賛否別れたおおかみこどもも、なんだかんだで面白かった、全然アリだった僕としては、細田作品にこんなに乗れなかったのがショックなのよ。しかもお話というよりは構成の手際に乗れなかったという点も。チキショー!
まぁ総じてフレッチャーの糞野郎が不快で嫌い、という感想ですね。凄い映画だとは思いますが、多分二度と見返さないでしょう。ああ、『響け!ユーフォニアム』の滝先生がこんな糞野郎じゃなくてよかった!(ニッコリ)
Dの絵に寄せたのか、どのシーンでもなんとも扁平に見えます。
それだけではありません。この作品、2人きりでの会話シーンが何度もあるのですが、そのシーンの見せ方の退屈さと言ったらないですよ! 例えば、アニメ『化物語』シリーズでは、視聴者を飽きさせない為に、あの手この手の手練手管で画面に惹きつけてるじゃないですか(もっとも物語シリーズは、特異な画面作りを持ち味にしてしまっている作品なので、一概には比べられないとも言えますが)。そんな努力がなかなか感じられない。
でも本作はごくごく正統派のシンデレラ。特に大きな捻りもなく、「知ってる話じゃん」と正直退屈には感じました。継母役のケイト・ブランシェットのヴィランぶりは流石でしたが。真っ赤なルージュで印象的に彩られた唇を、いやらしく歪めてニターリと微笑むあのツラ!
ただ『アナ雪』日本語版で一躍有名になったフレーズ「ありのまま」が、本作のラスト付近で台詞として、何度か繰り返されるんですよね。『アナ雪』でも『Let it Go』の和訳は、日本向けで随分原語とニュアンスが違うらしいですが、本作の「ありのまま」も『アナ雪』を意識してぶっこまれた訳なんじゃないか? となーんかそういうふうに邪推しちゃって、その辺りでちょっと醒めちゃったんですよね。事実は判んないですけれど。
なんでこうも脚本が雑かね! 森が舞台だから絵的にも地味! 後半の特撮オタなら燃える展開もあっさりすぎ! ジョニー・デップの出番なさすぎ!(ギャラの都合?)
お話の出来はひっどいけれど、役者陣の熱演と歌唱力は流石っすよ。メリル・ストリープには惚れ惚れします。我らがクリス・パインもこんなに歌えるとは思わなかった! あと元々舞台作品な所為か、舞台演劇っぽい画面の使い方は面白かった。
『PSYCHO-PASS』アクション解説 その2 1期16話 狡噛vsサバット男
『PSYCHO-PASS』アクション解説、2回目は、TVシリーズ1期 第16話「裁きの門」より、狡噛とサバット男のアクションシーンを解説したいと思います。あくまで自分の知識による解釈ですので、誤りがありましたら申し訳ございません。半可通の浅学とお笑いください。
また、もし「ここは寧ろこういう事では?」「ここを見落としてますよ。」等々ご指摘ございましたら、お教えいただければ幸いです。宜しくお願いします。
ちなみにこのシーンの敵役を「サバット男」と称しましたが、これは彼が放つ蹴りが、フランス式のキックボクシング・サバットの蹴りに近いものに見えた為、そう呼称しました。後ろ回し蹴りや掛け蹴りが、それらしく見えます。
サバットは路上での喧嘩を前提にした護身術が発祥なので、靴の硬いつま先や踵を蹴り込むような鋭い蹴りが持ち味の格闘技です。一般的な打撃格闘技で禁止されている関節蹴りが有効なのも大きな特徴です。
まぁこの男がサバットを習得してるなんて設定があるかどうかは、不明ですけれども!(多分無いだろうなぁ)
さて、このシーンで行われた殺陣の流れを大まかに示しますと、
①狡噛が階段下より接近、左右のボディ撃ち
②サバット男が右回し蹴りで反撃
③サバット男が左後ろ回し蹴り
④蹴りの戻りに合わせて、狡噛が左飛び込み突き
⑤サバット男の右掛け蹴り
⑥掛け蹴りをブロックした狡噛が相手の右へ回りこむ
⑦そのままバックを取ってスープレックス
となります。
それでは①、狡噛による左右のボディ撃ちシーン。
サバット男に向かい、ドミネーターの狙いを付ける狡噛。ヘルメットの機能により、サバット男の正確な犯罪係数を測定できません。
役に立たないドミネーターを、咄嗟に投げつける狡噛。それを食らい、ネイルガンを取り落とすサバット男。
階段を駆け上がった狡噛が、その勢いのままに左のボディストレートから……
右のボディフック! 相手はヘルメットを被っていますので、頭を素手で殴る訳にはいきません。また階段を駆け上がり、自分より高い位置にいる相手を殴りにいく際に、最も攻撃しやすい高さにある腹を殴りに行くのは道理です。初撃を食らいながらも二撃目をブロックしたサバット男もなかなか反応が良い。
②サバット男が右回し蹴りで反撃
ボディブローをガードしたサバット男は、即座に右回し蹴りを狡噛に叩き込みます。
二人の間に、それ程の体格差があるようには見えませんが、体重66kgの狡噛を一気に壁際まで……
吹き飛ばす!
至近距離で放たれる蹴りは、遠心力を利用し難いので、威力も乗り難いものです。しかし吹き飛ばされた狡噛の驚きの表情を見るに、この蹴りには相当な威力が込められていたのではないでしょうか。サバット男は体重を乗せた、重い蹴りを放つのが上手いですね。
③サバット男が左後ろ回し蹴り
狡噛を壁際に追い詰めたサバット男。右足を左斜め前に一歩踏み込みます。
踏み込んだ右足を軸にして、コンパクトに体を高速回転。その勢いを殺さぬまま、回転力と遠心力を左足に乗せて一気に後ろ回し蹴り!
②でダメージを受けたものの、ここはしっかり相手の蹴りを躱す狡噛。本命の槙島に辿り着くまでに消耗する訳にはいきませんので、相手の蹴りをブロックでするのではなく、躱すという選択を選んだのでしょう。相手の攻撃を捉えている狡噛の目にも注目。
④蹴りの戻りに合わせて、狡噛が左飛び込み突き
膝を落とし、身をかがめるダッキングで相手の蹴りを回避した狡噛は、その膝を落とす事で出来た「溜め」を用いて……
一気に相手まで踏み込み、
その勢いのまま、相手のボディめがけ右ストレート。防御の動作を攻撃に繋げた、伸びのある素晴らしい踏み込み突きですが、サバット男にブロックされてしまいした。
⑤サバット男の右掛け蹴り
狡噛は右ストレートに続けて、左でボディーを打ちますがこれも防がれます(絵だと左拳が相手に届いたのかどうか微妙な所なのですが、動きに合わせて殴るSEが付いているので、当たったとします)。と同時に、サバット男が膝を上げたので……
反応した狡噛は蹴りを警戒し、追撃せずに防御に回ります。サバット男はそのまま右回し蹴りを出し、その軌道は一旦は狡噛の体の前を通過。蹴りは回避されたように見えますが……
一旦は通過した蹴りが狡噛の方に戻り、踵が叩き込まれます。このような蹴りを「掛け蹴り」と言います(※但しそもそもの掛け蹴りは、この場合のように相手の動きに合わせて放たれるものでは無いです。勿論このような事も不可能では無いですが、相手の動きに合わせて蹴りの軌道を変えるのは、素早い反射神経・反応が必要ですし、無理に力が乗るベクトルを変える事になるので蹴りになかなか威力が乗りません。この場合、サバット男がそれらを克服できる腕がある、かなりの強者だと言う事でしょう。)
(1:37辺りより掛け蹴りの解説)
サバット男が蹴りのインパクトの際に、背中を反らし、重心を落としている事も描かれています。これは背筋の力を使う事で、蹴りに重心を乗せ、攻撃力を高めているのですね。しかし狡噛はこれもきっちりブロック。お互い相手の攻撃が良く見えているのが判ります。
⑥掛け蹴りをブロックした狡噛が相手の右へ回りこむ
(下半身が見えないので推測ですが)⑤ラストの画像のブロック時の態勢(右足が前、左足が後ろのサウスポー構えの状態)から、右足を外に捻りつつ大きく踏み込みはじめます。その右足の踏み込みと同時に自らの態勢を低くし、サバット男の脇を抜けるような勢いで体を前進移動させはじめます(縢も見せたレスリングタックルの動きですね)。
狡噛が態勢を低くしたタックルの動きで回りこんで来たので、ヘルメットを被り視界が狭いサバット男は狡噛を見失います。
狡噛は右足が着地したら、右足の親指を支点にし、更に外側に捻ります。捻らせると同時に、後ろに残した左足を大きく前に踏み込めば、右足の捻りと回転が聴いて、自然に態勢が反転するので、その勢いのまま相手の後方に左足を着地。これで相手の右サイドを回りこむ形で、相手の背後に移動しました。
視界の悪い相手が視認しにくい高速でのタックルで近づき、相手の背後につく事で、相手の得意な蹴りを封じました。
相手のバックを取り、体を密着させて両腕をしっかりクラッチ。自分のヘソ辺りに相手を乗っける感じで重心をコントロールしつつ、一気に持ち上げて……
後方に投げきる! 所謂ジャーマン・スープレックの要領ですね。
投げで後頭部を床に叩きつけられたサバット男が失神したように見えます。しかしこれは、彼が硬いヘルメットを被っているが故、頭部は守れたけれども、逆にダメージが首の方に行ってしまい、脊髄を損傷して行動不能になってしまったのではないかと考えます(ヘルメットを装着した、オートバイの交通事故でも同じような負傷をする事があるようです)。
補足すると、狡噛がサバット男を持ち上げた瞬間の上記の絵を見る限りは、このまま体を後方に反らせても余り高い角度をつけて相手を落とす事は出来ないような気もします。絵としては描かれていませんが、投げる勢いがつき始めた辺りで狡噛が手のクラッチを組み直し、より高角度に相手を落とせる投げにしたのかもしれませんね。狡噛はレスリングを修めている設定もありますので、このような投げのテクニックも持っている事でしょう。
『PSYCHO-PASS』アクション解説 その1 1期16話 縢vsネイルガン男
劇場版の上映も粗方の地方で終了し、ひとまずの区切りがついたアニメ『PSYCHO-PASS』。劇場版では凄まじいまでのアクション描写が大変印象的でしたが、TVシリーズでも凝った殺陣が組まれていました。
TVアニメのアクションシーンは、「とりあえず殴って・蹴って」に終始するだけになる事が多く、格闘技ファン、アクション映画ファンの目には味気なく映る事もあります。
しかし、
・制作時間やコストの都合(2人以上の人間を破綻なく絡ませ、動かすのは凄く大変)
・尺の都合
・より描くべきモノ・コトがあり、そちらに注力したい
等々の理由もありましょう。なかなかこだわって格闘シーンを作る事も難しいのではないかと思われます。しかし『PSYCHO-PASS』では、アクションシーンの動作それぞれに格闘としての意味を持たせつつ、平行してアクションの格好良さ・面白さも描かれていました。
作品にひとまずの区切りがついた今、改めてその練りこまれたアクションシーンに注目し、それぞれの動作にどういう意味があるのか自分なりの解釈をまとめたいと思い、こうやってブログに書き留めようと思った次第です。
これから各シーン毎に解説していきたいと思いますが、あくまで自分の知識による解釈ですので、誤りがありましたら申し訳ございません。半可通の浅学をお笑いください。
また、もし「ここは寧ろこういう事では?」「ここを見落としてますよ。」等々ご指摘ございましたら、ご教示いただければ幸いです。宜しくお願いします。
さて、今回はTVシリーズ1期 第16話「裁きの門」より、縢くんのアクションシーンを解説したいと思います。
このシーンで行われた、大まかなアクションの流れは、
①下からの突き上げ掌底で敵の手を打ち上げる
②敵に左内回し蹴り
③敵の喉元へ肘を入れる
となります。書き出してみると非常にシンプルですが、この殺陣を読み解いていくと、短いシーンながらも実によく考えられているという事が見えてきます。
それでは、上記の①の動きを解説しましょう。
縢の背後から、改造ネイルガン(釘打ち銃)を発射する男。
不意打ちを食らった縢は右手に釘を受けるも即座に反応し、間合いを詰めます。狭い通路で隠れる場所も無く、ドミネーターも落としてしまいましたので、相手の懐に飛び込むという縢の判断は正しいと思いますが、瞬時にその判断に従い、動けるというのには彼が潜ってきた修羅場の多さを感じてしまいます。
間合いを詰める際に態勢を低くし、二発目をかわしつつ接近する縢。
ネイルガン男にこれがどう映るかというと、
・身長の低い縢が、さらに態勢を低くして一瞬で接近してくる
・自分の手とネイルガンが下方の視認を阻害している
・ヘルメットを被っているのでそもそも視界が狭い
以上のような条件が重なって、ネイルガン男の視界からは縢が一瞬消えた事でしょう。
ネイルガン男の死角に入った縢は、左足の踏み込みから体を跳ね上げ、下から一気に突き上げる掌底を男の手に。これでネイルガンの照準を逸し、尚且つ相手の腹部をがら空きにします。
続いて②、縢による左内回し蹴り。
間合いを詰めた縢は、さらに右足を踏み込ませ、左足を内側に振り上げます。右足を踏み込む事により、次の左足の振り上げに勢いがつける事ができます。振り上げた左足をその勢いのまま回し蹴り込む事により、充分に遠心力と体重の乗った威力のある蹴りが繰り出せる訳です。
相手のがら空きの腹部をめがけ一気に蹴り込みます。体格の劣る縢は、その差を補う為に威力のある攻撃で短期決戦で勝負を決めたい。故に手技より威力のある足技、その中でも威力のある回し蹴りを使いたい所ですが、狭い通路での戦いなので、外回し蹴りを放つと蹴り足が手すりにぶつかってしまい放てない。よって、コンパクトな軌道で相手を攻撃できる内回し蹴りを放った訳ですね。
ちなみに回し蹴りの内と外の違いは主に上記の通りです。
最後に③、とどめの喉元への肘打ち。
蹴りによって手すりに叩きつけられたネイルガン男が体勢を整える前に、すかさず取り付く縢。男がネイルガンを持つ手を降ろさないように、縢がその手を押さえつけるのですが、その際に相手との間合いを更に詰め、下からガンの持ち手を押し上げる状態になります。これによりネイルガン男の腋が開ききってしまうのですが、この状態になってしまうと、人体の構造上大変力を入れにくくなるので、ネイルガン男は腕を降ろせません。
ネイルガン男の背面には、男の腰の部分の高さに手すりがあります。この状態で縢が男を後ろに押し込むと、手すりの部分が支点になり、男の体が反ります。
体が反ると、男の首も後ろに反ってしまいます。ヘルメットで守られていた首ががら空きになったその刹那、肘を下からかち上げるように一撃! 筋肉が薄く、重要な器官が多数ある首は人体の大きな急所ですし、そこに勢いをつけた硬い肘を打つというのは、体の小さい縢でも一撃で相手を無力化させる事ができる危険な攻撃です。急所を容赦なく攻撃し、少ない手数で相手を制するその動きからは、彼の非情さが見て取れます。縢秀星、恐るべし。
と、まず1シーンのアクションについてまとめてみましたが如何でしょうか? 読み手に判りやすいよう説明の文章を書くって難しいですね……。乱文ご容赦ください。
熱文字第102回 男性声優ドラフト 恋愛シュミレーションゲーム編に勝手に参加してみた件
102 熱量と文字数 【男性声優ドラフト 恋愛シュミレーションゲーム編】: 『熱量と文字数』 オタク芸人 サンキュータツオ Presents
ネットラジオ『熱量と文字数』第102回において、恋愛シミュレーションゲーム(乙女ゲー)を作るにおいて、そのゲームのコンセプトに基づいて5人の男性声優を指名し獲得し合うという声優ドラフトの様子が放送されました。
それに後追いではありますが勝手に参加してみようと思いたち、実際にドラフトしてみた結果をこの場に記しておきます。
◆レギュレーション
ラジオを聞きながらの参加という後追いなので、
- できるだけライブに近付けるように、ラジオを聞きながら同時進行で指名する。
- 出演者と同順位において、指名声優が被った場合、出演者に権利がある(獲得できない)。
- 後に出演者が指名する声優を、その指名順位より早く指名した場合、こちらに権利がある(獲得できる)。
というレギュレーションでやっております。
◆各出演者が指名した声優と、制作したい乙女ゲーのコンセプト
※指名順に声優名を並べてあります。出演者含め、敬称略。
役満みたいなメンツで贅沢に。研究室、あるいは会社のイメージ。みんな理系であって欲しい。歌は宮野さんに歌ってもらう。なんだったら『銀色のコルダ』みたいな音楽ものでも。
ヒロイン含む女の子2人が卒業旅行先の中南米で誘拐され、それをスペシャリストの男性陣が奪還に向かうというシリアスドラマ。イメージキーワード「勘違いするなよ、慣れ合う気はない」。丁寧な物言いの裏に何かある事を匂わせて欲しい。
社会人もので全員スーツを着ている。発売記念イベントには声優さんにスーツ着用で出演してもらう。
ベタな学園物。ヒロインは高校二年。中村さん、鳥海さんが同級生、逢坂さんはバカな後輩。平川さんはヘタレキャラ。制服はブレザー系。
自己中B型男子に振り回されたい。演じる声優も全てB型で統一したい。
◆筆者が制作したいゲームのコンセプト
王子ゲー。
ひょんな事から某国の姫として迎えられたヒロインは、色々な国の王子から言い寄られたりして……。という、エロゲーのやりすぎみたいなコンセプトなので、声にどこか高貴な雰囲気は欲しいよね、とかなんとか適当に。
◆筆者が指名した声優
第一指名:宮野真守
タツオさんの三位指名とかぶりますが、一位で取らせて頂きました。王子、というと僕はこの方の声を一番に想像するんです。ストレートに格好良い王子も良し、チャラい王子もよし、なんでもお願いできるぞ。
第二指名:三木眞一郎
低音めの魅力的な声が欲しかったんですよね。剛までいかない硬めのセクシーな声が素敵。
第三指名:平川大輔
これまた関口さんの五位指名と被り。レゴラスやロキとデカい王子役の実績があるしねw ロキっぽい感じの、ちょいナルシスティックだけどどこかヘタレで抜けてるとかそういう王子の役どころかしら。
第四指名:山口和臣
梶さんや下野さんを獲得して、マスコット的な可愛らしい王子キャラをやって欲しかったのですが、先に指名されてしまったので彼を指名しました。『げんしけん 二代目』の波戸賢二郎の男の時の声や、2015年1月開始アニメだと『美男高校地球防衛部LOVE!』で、可愛らしい天然キャラの箱根有基を演じられるんですよね。これだ、これだよ!
第五指名:緒方恵美
男性声優ドラフトっつってんだろ! オチを狙っただろとツッコまれたら否定はできない! だけどちゃうねん、理由があるねん! 王子様と見せかけて実は…という百合エンドが見たいねん! 緒方恵美さんといえば「男八段」の異名を持つ方であるというのも忘れてはならない。他に男も女も演じられる女性声優はあまたいるけれど、段持ちなのはこの方だけですよ! 段持ちじゃぁ男性声優ドラフト参戦も仕方ない(多分)。
というような指名結果になりました。中村悠一さんは僕も欲しかったんだけど、』取られてしまった! 中村さんは凛々しエロいんですよ声が。
いかん、自分で選んでてこのゲームやりたくなってきたぞ! この手の企画はちゃんと皆でワイワイ騒いでやってみたいやつですなぁ。
かくて結城友奈たちは勇者となった
『結城友奈は勇者である』、全話観了! 薄々、「こういう事なのかな?」とは思っていましたが、やはり「ウテナもの」でした! 大好き!
「ウテナもの」とは名作『少女革命ウテナ』に感銘を受けた僕が、勝手にそう呼称している物語の分類の一つです。これから大人の庇護の下から巣立っていかんとする若者に、エールを送る物語。世の中というものはウテナで描かれた近親相姦などのおぞましきものや、ゆゆゆで描かれた抗えぬ理不尽よりも、もっとおぞましく、理不尽で、残酷で……。不景気で明るいニュースが聞こえてこない、先の見えない日本。今やこれが無いと始まらない、もう一つの「世界」、ネットの中にまで悪意は満ち満ちている。 それでも! ……それでも、歩いていこうよ、外に出ようよ。辛い時は友と肩を並べて歩こう。迷わず行けよ行けば判るさ!
これです、こういうやつが僕の言う「ウテナもの」です! ラスト手前の学芸会の劇の台詞で、その事が示されておりますね。
魔王
「結局、世界は嫌な事だらけだろう!
つらい事だらけだろう!
お前も、見て見ぬ振りをして堕落してしまうがいい!
あがくな! 現実の冷たさに凍えろ!!」
勇者
「そんなの気持ちの持ちようだ!
大切だと思えば友達になれる!
互いを思えば、何倍でも強くなれる! 無限に根性が湧いてくる!
世界には嫌なことも、悲しいことも、
自分だけではどうにもならないこともたくさんある。
だけど、大好きな人がいれば、くじけるわけがない。あきらめるわけがない。
大好きな人がいるのだから、何度でも立ち上がる!
だから、勇者は絶対、負けないんだ!」
(この台詞は、友奈が目覚める前の東郷さんの朗読とも合わせて噛み締めたいのですが、長くなるので割愛。各自調査!)
これまでの回や最終話のAパートまででも、このメッセージは物語の中で示されてはいますが、この劇のシーンでより明確に、印象的に視聴者に訴えられます。これは製作者たちの願いであり、あるいは信じたい事であり、あるいは実体験であり、そして何より僕ら視聴者へのエールでありましょう。ラストの「明日の勇者へ」という言葉は、モニターの前で見ている僕らへ投げかけられているんだ! 明日のエースはキミだ! 勇者部五つの誓い、もとい五箇条を胸に前へ進め!
勇者部の皆が、真っ直ぐな好人物だったのが良かった。真っ直ぐな諦め無さに、僕らは好感を持ち、励ましたく、応援したくなり、そのド正面ストレートの訴えを素直に受け止めたくなる。
その訴えを受け止めた視聴者僕らが、勿論いきなりあんな大事を成し遂げる大勇者になれる訳では無いと思います。でも明日、飛び込みの営業を1件増やせるかもしれない。腕立て伏せを3回増やせるかもしれない。今まで恥ずかしくて出来なかった電車で席を譲る事ができるかもしれない。そんな小さな勇気への後押しになってくれたら……。それは小さいかもしれませんが、なんとも尊い連鎖ではありませんか。
ある孤独な闇の騎士がこう言いましたよね。「誰でもヒーローになれる。少年の肩にコートをかけるという思いやりを示すことで、世界が終わったわけじゃないと教えてくれた人もまたヒーローだ。」 さぁ、今度は僕達の番だ。勇者は連鎖する! 明日の、勇者へ!
2014年見た映画ランキング
明けてだいぶ経ってしまいましたが……新年あけましておめでとうございます。
さて、昨年は「劇場で50本(1週間に1本の割合)映画を見よう。」と目標を立て、結果60本の作品を鑑賞しました。
それらについて自分の記録も兼ね、2014年に見た映画のランキングと寸評をつけてみようと思います。
以下注意書き
・映画館で見たから、本数を見たから偉いという訳ではないですし、このランキングが絶対という訳ではありません。感想含め、あくまで僕の主観です。
・このランキングは「大体こんな感じ」という程度の気軽さでつけているので、いざ作品を見返すと順位が上下したりするやもしれません。その程度の、にわか者がつけた大雑把なランキングであるという事をご承知ください。
・鑑賞した59本の内、『もらとりあむタマ子』『ゼロ・グラビティ』『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』の3本は、公開開始日時が昨年より前のものなので、ランキングからは除外しています。
・寸評中にはネタバレも含まれますので、ご了承ください。
2位:LEGOムービー
3位:キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
4位:インターステラー
5位:イントゥ・ザ・ストーム
6位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
7位:たまこラブストーリー
8位:THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ
10位:ホドロフスキーのDUNE
11位:ベイマックス
12位:思い出のマーニー
15位:X-MEN フューチャー&パスト
16位:ロボコップ
17位:ポンペイ
18位:スノーピアサー
19位:
20位:ゴーン・ガール
21位:テロ,ライブ
22位:her/世界でひとつの彼女
23位:ホビット 決戦のゆくえ
24位:獣電戦隊キョウリュウジャーvs特命戦隊ゴーバスターズ 恐竜大決戦 さらば永遠の友よ
25位:イン・ザ・ヒーロー
また本作の公開と同時期に『るろうに剣心』が上映されていますが、あっちの方がよっぽど、こちらの想像を上回るようなアクションを見せてくれるんですよね。アクション俳優の話なのに、アクションの見せ場が色んな所に負けちゃってるんです。キャストの動きは良いんですよ。良いんですけれども、今のハリウッドが見せる最新・最高のものには申し訳ないけれども全く見えない。
このアクションシーンが例えば、『キル・ビル』の青葉屋カチコミシーンであるとか、映画好きなら誰もが「ほぉ!」「おお!」と膝を打ち手に汗握るような、後々語り草になるようなシーンであったなら…! 勿体無いなぁ。
26位:RUSH ラッシュ/プライドと友情
27位:ローン・サバイバー
28位:大脱出
31位:ファイ 悪魔に育てられた少年
33位:300 帝国の進撃
34位:ドラキュラZERO
36位:猿の惑星:新世紀
37位:エクスペンダブルズ3 ワールドミッション
38位:ハリケーンアワー
40位:ヘラクレス
41位:劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-
42位:るろうに剣心 京都大火編
43位:るろうに剣心 伝説の最後編
44位:マレフィセント
45位:ノア 約束の舟
46位:サボタージュ
47位:アメリカン・ハッスル
48位:荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて
49位:サファリ
50位:LIFE!
51位:マイティ・ソー ダーク・ワールド
52位:エージェント:ライアン
54位:ルパン三世
55位:ドラゴン・コップス 微笑捜査線
イン・ザ・ヒーロー【ネタバレ】感想部分
2014年9/6 twitterの『イン・ザ・ヒーロー』感想の続き、ネタバレに触れる部分
決死のアクションを演じる為に主人公・本城が忍者装束を着こみ、セットに向かうシーン。いやぁ、この唐沢寿明の格好良さたるや! 事ある毎に本城は「武士道」を持ち出しますが、まさに「死ぬことと見つけたり」の佇まい。
クライマックスのアクションシーンは……今の邦画では、かなりのレベルの殺陣を見せて貰った気がします。50歳の唐沢寿明と72歳の松方弘樹の殺陣がねぇ!格好いい!
ただし……これを求めるのも難しい事なのだろうな、とは判っていますが、あえて厳しい事を言うと。 劇中でこのアクションシーンは、アメリカ進出を心底望む一ノ瀬リョウがなんとしても掴みたいチャンスであり、本城も「あの!」と何目も置く、アクション作品で名を売ってるメジャー監督が撮るハリウッド大作、そのアクションシーンな訳ですよ。なのに全くそう見えない! セットにせよ、見せ方にせよ、せいぜい『イン・ザ・ヒーロー』程度(あえてこう書く)の邦画のアクションシーンにしか見えない。
また今同時期に、『るろうに剣心』という、日本アクションエンタメ界の奇才・谷垣健治氏が上映されていますが、あっちの方がよっぽど、こちらの想像を上回るようなアクションを見せてくれるんですよね。最大の見せ場がもう、色んな所に負けちゃってるんです。前述した唐沢寿明や福士蒼汰らの動きは良いんですよ。良いんですけれども、今のハリウッドが見せる最新・最高のものには申し訳ないけれども全く見えない。ここが例えば、『キル・ビル』の青葉屋カチコミシーンであるとか、映画好きなら誰もが「ほぉ!」「おお!」と膝を打ち手に汗握るような、後々語り草になるようなシーンであったなら…! 残念だなぁ。