イン・ザ・ヒーロー【ネタバレ】感想部分

2014年9/6 twitterの『イン・ザ・ヒーロー』感想の続き、ネタバレに触れる部分

 

 決死のアクションを演じる為に主人公・本城が忍者装束を着こみ、セットに向かうシーン。いやぁ、この唐沢寿明の格好良さたるや! 事ある毎に本城は「武士道」を持ち出しますが、まさに「死ぬことと見つけたり」の佇まい。

 クライマックスのアクションシーンは……今の邦画では、かなりのレベルの殺陣を見せて貰った気がします。50歳の唐沢寿明と72歳の松方弘樹の殺陣がねぇ!格好いい!

 ただし……これを求めるのも難しい事なのだろうな、とは判っていますが、あえて厳しい事を言うと。 劇中でこのアクションシーンは、アメリカ進出を心底望む一ノ瀬リョウがなんとしても掴みたいチャンスであり、本城も「あの!」と何目も置く、アクション作品で名を売ってるメジャー監督が撮るハリウッド大作、そのアクションシーンな訳ですよ。なのに全くそう見えない! セットにせよ、見せ方にせよ、せいぜい『イン・ザ・ヒーロー』程度(あえてこう書く)の邦画のアクションシーンにしか見えない。

 また今同時期に、『るろうに剣心』という、日本アクションエンタメ界の奇才・谷垣健治氏が上映されていますが、あっちの方がよっぽど、こちらの想像を上回るようなアクションを見せてくれるんですよね。最大の見せ場がもう、色んな所に負けちゃってるんです。前述した唐沢寿明福士蒼汰らの動きは良いんですよ。良いんですけれども、今のハリウッドが見せる最新・最高のものには申し訳ないけれども全く見えない。ここが例えば、『キル・ビル』の青葉屋カチコミシーンであるとか、映画好きなら誰もが「ほぉ!」「おお!」と膝を打ち手に汗握るような、後々語り草になるようなシーンであったなら…! 残念だなぁ。