【今日見た映画】劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

注意:ネタバレあります。

   

   周りに話せる人がいないので

   思った事をとにかく吐き出したくて書きました。

   特別な考察などは特にありません、あしからず。

   なるべく起承転結に気をつけてというか、文章として読みやすく書いたつもりですが

   ぐだぐだと書き散らしてしまいました。

 

 

 

 

【今日見た映画】

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

演:悠木碧斎藤千和

監:新房昭之(総監督)、宮本幸裕

 

 TVシリーズのその後を描く続編。僕はTVシリーズの終わり方が好きで、綺麗にオチたあのENDを見てしまったら、もう彼女たちをそっとしておいてあげたい、僕の心の小箱にしまっておきたいと、なんだかそう思えてしまう作品に僕の中ではなってしまっているのです。(故にTVシリーズは初見以降全く見返しておらず、劇場版前後編を見たくらい) ですから、「墓暴き」になるような事はして欲しくないなぁ、という気持ちがあったのは確かです。とはいえ、面白かった。

 

 TVシリーズ後のお話という事で、最後に残ったほむらがメインになるお話であろうというか、そうせざるをえないだろう、そしてそこを掘り下げるのならば、おそらくは彼女は魔女化してしまうのだろうと予想は立てていました。

 

 アバンタイトルでは、家族と朝を過ごす、幸せなまどかの姿が描かれます。キュウべぇが出てくるのがなんだかアヤシゲですが、今の所邪悪さは覗かせず。しかし、TVシリーズ後の話であれば、これは絶対にありえない情景なのです。一人ぼっちになったほむらの妄想? 願望?

 

 そしてOP。賑やかで楽しげな魔法少女4人の日常風景ですが、そこに描かれている少女は4人、ほむらの姿はない…… やはりこれは現実ではないのか…? と思ったらほむら登場。しかしどうにも絶望感が漂う様子で、そんなほむらが見えていないかのように変身して舞う4人とはなんとも対照的。最後にやっとまどかがほむらに手を伸ばし、その手をほむらが握ろうとするも、砂のようにもろくも崩れて消えるまどか達。 ……いや、これには背筋が冷えました。やっぱりこれは、ほむらが大変な事になる作品なのだ!! そうなるともう、しばらく続く魔法少女達の日常と、所謂「魔法少女もの」の範疇の悲壮感の無い戦いも、もう安心しては見れないよね。

 

 話は進み、やはりこの世界はほむらが作り上げた架空の世界であり、彼女はもはや魔女化する寸前だという事が明かされます。そこにインキュベーターの企みが加わって……。街から出られない謎の結界や、メインキャラの想いが作った、記憶も改竄されてしまう閉じた世界というのは『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を想起した、という方のつぶやきがTwitterのTLで散見されましたが、さもありなん。

 

 この後のバトルは圧巻です。魔法少女総登場、惜しみの無い見せ場の連続に、Kalafinaさんの『misterioso』が場を盛り上げまくる! 『アベンジャーズ』のクライマックスバトル並みのカタルシス! 万感の想いがこみ上げて泣けてきた。アメリカだったら立ち上がって「イヤッホオオオウ!」って拍手してた!

 

 で、ここで充分お話として終わらせられるんだけど…… インキュベーターが円環システムを解析し、まどかを利用しようとしていた事を知り、そしてまどかの花畑での「本当は怖い」という告白で、彼女の本心(?)を知ったほむらは、円環システムからまどかを切り離し、その力を取り込んだ? そしてついには世界の改変をも始め、都合の良い世界を構築してしまう……

 

 このほむら、「構図」だけ見ると『少女革命ウテナ』の鳳暁生に近いと思うんですよ。劇場版のアドゥレセンス黙示録から引用しますが、

 

鳳暁生「そうだよ、お前の王子様だ。怖がらなくても大丈夫だ。さぁ僕と一緒に帰ろう。 生きながら死んでいられる、あの閉じた世界へ。」

アンシー「かわいそうに。あなたはあの世界でしか王子様でいられないのね。でも、私は、ウテナは出るわ、外の世界へ。」

鳳暁生「よせ、どうせお前達が行き着くのは世界の果てだ。」

アンシー「そうかもしれない。でも、自分達の意思でそこに行けるんだわ。さようなら、私の王子様。」

鳳暁生「そうか、残念だな。だが、お前達には、やはりあの世界でお姫様を続けてもらうよ。なに、生きながら死んでいればいいだけのことさ。」

 

 まさに暁生の言ったような、自らが構築した「閉じた世界(ラストでは象徴的に、窓=外に続く象徴?を、まどかとほむらのキーアイテムたるリボンで封印してしまう…)」に篭ってしまったんですね、悪魔になったほむらは。上記のやりとりを経て、ついには「世界」から外に飛び出したウテナとアンシーに、思春期(アドゥレセンス)の僕は大いに力を貰ったものです。ですから、この「構図」にはつい異義を唱えたくなる。(えっ、今の自分はどうなんだって? 耳が痛い。閑話休題。) それにこれでは、TV版の気高かったあの終わり方やほむらの否定に近いではないか!

 

 だけども、ほむらがTVシリーズ後に残された世界は、詳しくは描かれていませんが、もう何もかも滅んでしまったような世界にも見える(よね、確か。劇場版含めて2回しか見てないので曖昧ですが)訳で、最後の魔法少女として残されたほむらの心中たるや如何程のものかと。そりゃ狂いもするし魔女にも、そして悪魔にも成り果ててしまうよなぁと、彼女の思いにも同情してしまうのです。

 

 なので、最終的なその構図・構造には異義を申し立てたいし、TVシリーズ好きとしてはなんとも後味が悪すぎるのだけれど、ほむらの事を思うと、しょうがないかな、とも思ってしまうのです。なんたるもやもや。後からじわじわ来る作品。

 

 新房総監督は、「僕は算数のように決まった答えが出るものよりも、人それぞれの意見が出る国語のようなものが好き。」という旨を、インタビューで仰って はいましたが……。 それにしてもエンターテイメントとしては、魔女ほむらを倒して、ほむらが円環の理に組み込まれて、まどかやみんなと再開できてよかっ たね、なENDの方が絶対に腑に落ちるし、美しく幕を引けるし、ファンも喜ぶと思うのです(というか、すいません僕がそうなんです)。 が、なぜあえてそ の後を作ったのか。 どういった意図があったのか。こりゃ賛否両論、色んな意見が出るよなぁ。

 

 続編も作れそうな、消化不良とも思える流れで終わったのですが、どうなんですかね、続編。もうみんなをそっとしておいてやれよ、もう墓を暴くなよ、という気持ちが正直な「今」の気持ちです。

 

 やぁ、とんでもなくもやもやした終わり方でしたが、じゃあつまらなかったかというと決してそうではなく。TVシリーズを見て感じ入った人ならば必見だと言える面白さでした。まだパンフレットを入手できていないので(相当なネタバレ・解説があるみたいですね)、それを読んでから、もう一度見直してみたい作 品です。

 

 

 以下、なんかズルズルと思った事。

・まどマギはには、ラブでもライクでもピンと来るキャラがあまりいなかった(杏子は友達に欲しいかなと思った。)けれど、新編を見たら結構さやかの好感度 あがりましたね。自身でもちょっと言っていたように、経験を積んで、いい女になったのかなぁと。杏子も言わずもがな。マミさんは作中でも脆さを指摘されて ましたが、なんだかそんな部分を含めて、保護者的な暖かな目で見れたよう なw ほむらちゃんは株あがったのに悪魔化で…… まどかは変わらず(おい)

 

・さやかが魔女化したほむらに対して言った「だーかーらー、一人で抱え込もうとするなっての!」って台詞は、観客の思いを代弁してくれた台詞だと思う。好きな台詞。

 

・魔女ほむらバトルは本当、素晴らしかった。合体技や列車砲、さやかちゃんのスタンド闘法など、大サービスでしたね!

 

・アホみたいな終末話する担任の先生可愛いw TVシリーズでの出番を殆ど覚えてないんだけど、こんな人だったっけ? 高望みな方のようですが、僕で良かったら、お友達からお付き合いしませんか?!

 

・読解力が足りないのか、話や映像に圧倒されて漏らしてしまったのか、何故さやかが円感の理の元で力を得た(かばん持ち、なんて称してましたが)のかがよく分からなかったのですが、なんか描写ありましたっけ?

 

・ベベは結局ミスリード要員だったでOK? あんまり魔法少女にトランスフォームする意味は感じなかったけど。

 

・上手く意識して見れなかったのだけれど、魔法少女たちの指にピンク(だったかな?)の水滴のようなマークや、悪魔化したほむらに記憶を消されたさやかの指に三日月のマークがあったのは何の記号だったのだろう?

 

・エンディングテーマの『君の銀の庭』。歌詞は詳しく覚えていないが、「終わらない始まりの、本当の終わりへ」という一節が妙に耳に残った。この庭とは、ほむらが最終的に作ったあの世界の事なのだろうか……

 

 

 

 

 とまぁ、こんな感じです。

 最後まで読んで頂いた方、どうもありがとうございました!

 ホントね、すぐにでも見た人で集まってベラベラ喋りたいのだけれど、そういう事が出来る友達が地元にいないので、情熱だけでだーーーーーーーーーーーーーーーっと書いてしまいました。誰か、機会があればお話しましょう!w 乱筆乱文失礼。