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かくて結城友奈たちは勇者となった

 『結城友奈は勇者である』、全話観了! 薄々、「こういう事なのかな?」とは思っていましたが、やはり「ウテナもの」でした! 大好き!

 「ウテナもの」とは名作『少女革命ウテナ』に感銘を受けた僕が、勝手にそう呼称している物語の分類の一つです。これから大人の庇護の下から巣立っていかんとする若者に、エールを送る物語。世の中というものはウテナで描かれた近親相姦などのおぞましきものや、ゆゆゆで描かれた抗えぬ理不尽よりも、もっとおぞましく、理不尽で、残酷で……。不景気で明るいニュースが聞こえてこない、先の見えない日本。今やこれが無いと始まらない、もう一つの「世界」、ネットの中にまで悪意は満ち満ちている。 それでも! ……それでも、歩いていこうよ、外に出ようよ。辛い時は友と肩を並べて歩こう。迷わず行けよ行けば判るさ!  

 これです、こういうやつが僕の言う「ウテナもの」です! ラスト手前の学芸会の劇の台詞で、その事が示されておりますね。

 

魔王
「結局、世界は嫌な事だらけだろう!

 つらい事だらけだろう!

 お前も、見て見ぬ振りをして堕落してしまうがいい!

 あがくな! 現実の冷たさに凍えろ!!」

勇者
「そんなの気持ちの持ちようだ!

 大切だと思えば友達になれる!
 互いを思えば、何倍でも強くなれる! 無限に根性が湧いてくる!
 世界には嫌なことも、悲しいことも、

 自分だけではどうにもならないこともたくさんある。
 だけど、大好きな人がいれば、くじけるわけがない。あきらめるわけがない。
 大好きな人がいるのだから、何度でも立ち上がる!
 だから、勇者は絶対、負けないんだ!」

 

 (この台詞は、友奈が目覚める前の東郷さんの朗読とも合わせて噛み締めたいのですが、長くなるので割愛。各自調査!)

 

 これまでの回や最終話のAパートまででも、このメッセージは物語の中で示されてはいますが、この劇のシーンでより明確に、印象的に視聴者に訴えられます。これは製作者たちの願いであり、あるいは信じたい事であり、あるいは実体験であり、そして何より僕ら視聴者へのエールでありましょう。ラストの「明日の勇者へ」という言葉は、モニターの前で見ている僕らへ投げかけられているんだ! 明日のエースはキミだ! 勇者部五つの誓い、もとい五箇条を胸に前へ進め!

 

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  勇者部の皆が、真っ直ぐな好人物だったのが良かった。真っ直ぐな諦め無さに、僕らは好感を持ち、励ましたく、応援したくなり、そのド正面ストレートの訴えを素直に受け止めたくなる。

 その訴えを受け止めた視聴者僕らが、勿論いきなりあんな大事を成し遂げる大勇者になれる訳では無いと思います。でも明日、飛び込みの営業を1件増やせるかもしれない。腕立て伏せを3回増やせるかもしれない。今まで恥ずかしくて出来なかった電車で席を譲る事ができるかもしれない。そんな小さな勇気への後押しになってくれたら……。それは小さいかもしれませんが、なんとも尊い連鎖ではありませんか。

 ある孤独な闇の騎士がこう言いましたよね。「誰でもヒーローになれる。少年の肩にコートをかけるという思いやりを示すことで、世界が終わったわけじゃないと教えてくれた人もまたヒーローだ。」 さぁ、今度は僕達の番だ。勇者は連鎖する! 明日の、勇者へ!

 

2014年見た映画ランキング

 明けてだいぶ経ってしまいましたが……新年あけましておめでとうございます。

 

 さて、昨年は「劇場で50本(1週間に1本の割合)映画を見よう。」と目標を立て、結果60本の作品を鑑賞しました。

 それらについて自分の記録も兼ね、2014年に見た映画のランキングと寸評をつけてみようと思います。

 

以下注意書き

・映画館で見たから、本数を見たから偉いという訳ではないですし、このランキングが絶対という訳ではありません。感想含め、あくまで僕の主観です。

・このランキングは「大体こんな感じ」という程度の気軽さでつけているので、いざ作品を見返すと順位が上下したりするやもしれません。その程度の、にわか者がつけた大雑把なランキングであるという事をご承知ください。

・鑑賞した59本の内、『もらとりあむタマ子』『ゼロ・グラビティ』『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』の3本は、公開開始日時が昨年より前のものなので、ランキングからは除外しています。

寸評中にはネタバレも含まれますので、ご了承ください。

 

 

 

 


 
1位:ゴジラ
 2014年の1位はこれ! だってゴジラという存在を物理的にあんなにデカく、怖く感じさせてくれたものですもの。所謂5億点!
 巨大な津波を起こし、それに人間を巻き込ませつつ、ハワイに上陸、照明弾に映し出されるゴジラの巨躯! 身長が高すぎて、打ち上げた照明弾の光が届かず顔が見えない! ここはまだ主役の顔は見せないという、なんという「溜め」のシーンか!
 そして遠景にムートーを望みながら、空港ビル近くにインしてくるゴジラの足! デカい、デカすぎる! そしてついにその全貌を表す圧倒的なビジュアルに、僕は文字通り、誇張なくホントに口アングリ。もう笑うしかないな、と劇場で乾いた息笑いを漏らすばかりでした。
 ゴジラが余り活躍しない、とも言われる本作ですが、M気質の僕には良い焦らしプレイでした。そしていざ現れたら今までのゴジラよりもスゴイですもの。こんなの初めてぇ~! イくイくイくイくイく~っ! と、僕の心はギャレゴジ(と書いて女王様と読む)に屈服してしまったのです。最高! パンフレットより、SFイラストイレーターのボブ・エグルトン氏の言葉を引用しましょうか。「『なかなかゴジラが出てこない』と言ってる人はどこを見てたんだ? ヤツは映画全体を支配してたじゃないか。」!
 

2位:LEGOムービー
 レゴファン誰もが夢想したような、登場人物や背景から小道具に至るまで、レゴで全てが表現されている(劇中に出てくるものは全てレゴブロックで再現できる!)という点でもまさに「レゴ」の映画なのですが、入れ子構造で視点を変えて、今まで出てきたレゴたちを組んだ人間達の物語をも描き、最終的にそれをリンクさせているという意味でも「レゴ」の映画という凄まじい作品。よぉ考えつきますわなぁ!
 「レゴの映画だから子供向けなんでしょ?」 ……とんでもない! レゴに、そして所謂「子供のもの」とされるあらゆるモノ・コトにハマり、そして今もハマり続けているオタクなら必見の作品なのでありました。そして本作で語られてる事は、レゴという会社が掲げる理念と完全に通じてるんだよね 。
 どうよこの隙の無さ! 流石フィル・ロード&クリストファー・ミラーだぜ! それ以外でも、レゴブロックとして製品化されてるものが出まくるので、DCヒーローや映画、世界の偉人等々、レゴならではの夢の顔合わせが成されているのも評価したい!
 あと個人的な事になるのだけれど、僕が小学生に上がる前の子供の頃、スペースシャトルの有人飛行が成功して、それでレゴでもスペースシャトルのブロックが出たんだよね。買って貰えなくて、只々おもちゃ屋で眺めるだけの幼き日々だったのだけれど、本作でその製品に付属してた宇宙飛行士の彼と再開した時は、全然泣けるポイントでもないのに、そういう個人的事情でダバァと泣かされてた。こんな経験ができるのもレゴの歴史の賜物ですなぁ。さらに個人的な思いを言うと、吹替だと俺達の沢城みゆきさんの様々な声が堪能できるので、ファンはずーーーっとエレクトしてられますぞ。
 

3位:キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
 現時点でのMCU映画の最高峰だと思います。かつて自由と正義を体現した男が、現代の混沌とした灰色の正義に迫るアクションサスペンス! どこが凄いってもう全部凄いよとしか言いようが無いのですが、そんな目一杯詰め込んだ中でも、単なるアベンジャーズ2までのブリッジに留まらず、ちゃんと一人のヒーローとしての掘り下げを行ってくれたのは、(特にMCUの)キャプテン・アメリカファンとしては嬉しかったですね。キャップを吹き替えで演じる中村悠一さんの誠実な演技もとても素敵です。
 
 良いSFを見た! というのが一番の感想。
 小難しいワードもちょいちょい出てきますが、『ドラえもん』のような仕掛け、『トップをねらえ!』1と2のような「想いは時間を超える」という展開は僕らアニメオタクの文脈でもあります故。
 冒頭から積み上げられた謎やちょっとした台詞や行動からの伏線が、終盤で見事に・美しく収束していく様は見事! 俺も超重力の影響を受けて地球上の時間の流れと違う時間にいたかのような、アッという間の3時間でした! あとやっぱりTARSくんかわゆい。早くリボルテックとかで可変するフィギュアを出し給えよ!
 

5位:イントゥ・ザ・ストーム
 夏映画の思わぬ伏兵でした! 襲い来る竜巻・嵐! 立ち向かう人間の勇気と絆の讃歌!
 関係の上手く行かない親子! YOUTUBEに面白映像をUPして有名になろうとするボンクラ! そしてハイテクの気象観測装置や24台の監視カメラに5トンの重さに耐えるウィンチ、防弾ガラスや鋼の装甲を持ち、4本のアームから杭を打ち込み、風速75mにも耐える秘密兵器「アウトリガー」を備えた究極の対竜巻マシン『タイタス』を狩り、脅威の映像を撮影して一攫千金を狙うストームチェイサー! それぞれが構えたカメラのPOV視点に、客観視点を交えながら大自然の猛威を捉えてくれます。 
 89分という短さの中でも、張られた伏線はきっちり回収、ダレ場もないので、我々観客はどんどん前代未聞の気象パニックの最中に巻き込まれていきます。ディザスター映画のお手本ですヨこれ!
 

6位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
 個性豊かな面々がその個性を存分に活かしたアクションと、漫才みたいな掛け合いをガンガンかましてくれるので、なんとも楽しいです。絶体絶命の時にあんな事するヒーローいるか?!
 笑い、泣き、そして細かくマーベル世界の設定も拾い散々楽しませてくれた後に、最後にこの作品・このキャラならではって形でお話を纏めちゃうだよなぁ。ほんと隙が無い。
 ただ音楽については色んな所で褒められてるけれど、あれらの音楽は僕よりも上の世代の人の音楽なので、ガッツリ乗り切れてるかというとそこまででもないのよね。世代問題なので作品の所為では無いのですが、ちょっと俺さんよ勿体なかったぞと。
 
 はて「マーケット」ではなく「ラブストーリー」とはと、TV版を見ていた人なら誰もが思うであろうタイトルですが、一組の男女が思いを伝え合うというミニマムなドラマ一点に殆どのフォーカスを絞ったラブストーリーとしか言いようのない物語で、終わってみれば成る程これはと。
 『けいおん!』劇場版よりも、より「若者がいよいよ意識する、過ぎ去り流れていく時間」を描いています。TV版の片翼とも言える程の存在であるデラちゃんを、あえて物語から退けたのは正解でしょう。ファンタジーはあの空気の夾雑物になってしまう気がしますね。親子や男女の心の繋がりという、『けいおん!』では描かれなかった事も、TV版よりより深く描かれ、『けいおん!』に囚われず・留まらず、どんどん先に進もう・描こうという、製作陣の気概なんてのも見て取れて嬉しかったです。
 各キャラクターの揺れ動く心情を、時に繊細に、時にダイナミックに、実に丁寧に描いています。まさしく実写の恋愛ドラマのようではあるのですが、各キャラの嫌味無きピュアさ、これは実写だと嘘になってしまうかもしれない。アニメだからこそのキャラ造形かもですね。
 アニメだからこそといえば、告白を受けた後、混乱したままに商店街を走り抜けるたまこに見える世界を、三人称視点で観るシーン。あれは彼女の混乱した心中を、なんとも抽象的に、なんとも美しく描いているだけでなく、なんだかこのように世界が見えてしまう事に共感や納得、既視感さえ覚えさせてしまう、まさにザ・アニメ!な名シーンでしたね。
 伝えたい・伝わらない・答えのこない思いと、そしていよいよ伝わる思いを、バトンと糸電話というアイテムを上手く象徴として機能させて、クライマックスに繋げていくのも上手いなぁと唸るばかり。TV版とは明らかに空気が違いながらも、されど間違いなくファンが納得するお話という、TV版後を描く劇場版の最上級の答えの一つだったと思いました。
 

8位:THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ
 これもTVシリーズのその後を描く劇場版。僕ごときにわかが何をか言わんやですが…… 海の物とも山の物ともつかぬ新機軸のアーケードゲームに、ほぼ無名の役者陣が声を当てて始まったアイマス。人気を得て大きな存在となり、アイマス以外での活動の場も増えていきます。これは本作中の成長した765プロアイドル達の姿にも重なるのですね。これはアイマスへ、そして役者陣への思い入れが深い人にこその映画だなぁと。春香がアリーナの舞台で語るシーンは、そんな歴史の重さを感じてぐっと来ました。メタ的な読み解きもできるアイドル映画ですよ。
 春香が可奈を切らない所に甘さを感じる人はいるのだろうなと思います。ただ伊織が「春香はプロとしては甘い。でもスジは通す。」と語っていたように、やはりその甘さこそが天海春香という人間でありましょうし、甘さ転じて懐の深さを持っているからこそ、キャラクター皆がヒロインたるアイマスの中で、彼女がセンター的役割を担うのだろうし、765プロの皆も、アニメ制作スタッフも、そして僕や全国のプロデューサーも「託せる」のではないのかな、とも思います。理想論かしら……。
 そういう重要な役どころを担った春香役の中村繪里子さんは、ほんと繊細な演技をなさってて、こんなに豊かなお芝居ができる方なんだ! と今更ながら思い知りました。中の人にも「座長」感あった! 美希役の長谷川明子さんも、何考えてるのかわからない猫的な美希の思わせぶりな台詞を、思わせぶりなんだけど、それでもちゃんとその芯の部分のニュアンスがちゃんと読み取れる演技をなさってて(女子トイレでの春香との会話ね、最高!)これまた痺れた!
 クライマックスのライブシーン、のアリーナのCGがショボかったのは残念。BDで修正されたとも聞きましたが、大画面でアレはちょっと厳しかったなぁ。
 
 絵も設定も芝居も隙なし。僕らが見たいものを、僕らが思い描いたハードルを超えて三時間たっぷり見せてくれて大満足。
 過去幾多も語られたドラゴンスレイヤーの英雄譚なんてウソだぁと絶望するくらいに、邪龍スマウグの圧倒的すぎる格を見せつけてくれたのも嬉しい。燃え落ちる故郷のさまを切々と歌うエンディングテーマ『I See Fire』が泣ける泣ける。
 

10位:ホドロフスキーのDUNE
 ホドロフスキーの作品は不勉強ながら1作も観ていないのですが、劇中で流れる数シーンを観るだけでも、異様で異常な個性がギラギラと輝くなんだか妖しげなものなのが判ります。今や80歳を超える監督は、実に活気溢れる語り口で当時を物語ってくれるのですが、山っ気と無邪気さが同居しているような、これもなんとも不思議に魅力的なものなのですね。
 その情熱と人間性が、彼にツキをもたらすのか、人間力として作用されるのか、今や映画やアートの世界で偉人となっている、DUNEの制作当時から才能ある人間(作中では魂の戦士と呼ばれる)たちを次々と口説き落とし、ツモっていく様はなんとも痛快です。しかし同時に「上映時間を90分にしろだなんて、とても切れないよ。12時間は欲しい。いや20時間でも!」と熱っぽく語る彼を観るに、ああ、「傑作を生むには狂気の欠片が必要だ。」という言葉は真実だけれど、その狂気ゆえに、天才たちの才能を信じきれない・ついていけない人たちは多いのだろうし、だからこそこの『DUNE』は完成しなかったのだなぁ、とも思いました。
 情けないごく個人的な話ですが、僕はもう特に夢や野望の無い人間でしてね。淡々と日常を過ごすばかりなのですが、本作を見てそれが凄く悔しくなったのだけは、恥ずかしながら白状しておきます。
 

11位:ベイマックス
 マーベルの『BIG HERO 6』を換骨奪胎した本作。「優しさ」「泣ける」を押し出した日本での宣伝の切り口に疑問を呈する声もありましたが、いざ観てみれば、それも正しい、マーベルスーパーヒーローものとしても正しいという。
 ディズニーやピクサーには、週一で監督たちが集って、各作品の脚本を徹底的に叩いて練るというシステムがあるらしいですが、その成果物の隙の無さ、まとめ力、全方位目配せ力。ここまで組み上げる職人芸恐るべしですよ。
 

12位:思い出のマーニー
 どこかミステリー仕立てで語られる物語は、いよいよ最後に杏奈の苦悩とマーニーの謎に一本の道筋が出来、集束する。あっ、あの台詞や所作に感じたちょっとした違和感はこれか! いやー、お見事! なんて優しく美しいお話! 鈴木敏夫プロデューサーは「少年と少女の話だと宮さんが口出ししてくるから、少女と少女のお話にした。」と嘯いておりましたが、成る程、宮崎・高畑さんの空気と違った世界だよなぁこれ。まんまとやられました!
 
 ヒーローとは、という根源への問いかけがなされ(コミックじゃないんだ、という台詞の重さ!)、やがてヒーローとなる男女のお話。前作のようなライト感も残ってはいるけれど、ダークナイトのようにハードでもあった! ラスト、バイクを駆り走り行くヒットガールの姿はまさにまさに…!
 ただ、お話の構造として、キック・アス編、ヒットガール編、マザーファッカー編と3人それぞれのパートが結末に集束していくような流れなので、散漫だったり、詰め込んでる感があるのは否めない。自分探しが暗くなりすぎず嫌味じゃないのは◎。
 クロエちゃんって猿顔ぎみで、ストレートな美人顔というよりは愛嬌美人顔だと思うんですけれど(写真や作品ごとでその割合が変わりますが……)、それがあのヒットガールという強烈すぎるキャラのいい「抜き」になってると思うんですよね。1でもやってた、あの左口の端をちょっと上げて、はにかむような笑いの愛らしさったら!単なるクール系美少女ではこうはいくまい。
 
 前回以上に、ヒーローに付いて回る「選ばれし者の祝福と呪い」が描かれていて満足です。勿論これは他のアメコミヒーロー映画でも描かれているのですが、大企業の社長でも、神でも、特殊なエージェントでもない、普段は地に足のついた生活を送っている一人の青年、ピーター・パーカーだからこそ、より共感できたり、より感慨深く思えるというか。
 そういう「掘り下げ」のドラマパートが多いので、尺の割にはアクションやや少なめ? この辺は賛否あると思いますが、『アイアンマン3』同様、一人の人間/ヒーローを描く為に必要なものだと思います。どっちも半端になるよりは、この方がいいのではと思いました。
 ハリー役のデイン・デハーンはやっぱり良いっすね! 相変わらず憂いを帯びたり、負の感情に囚われた時の表情が抜群!
 

15位:X-MEN フューチャー&パスト
 今までのシリーズを総括するような作品。余計な説明無しでドンドン進んでくので、ファイナルディシジョンでのあれやこれはさっさと無視されてましたねw 思い返せば、正直もう少し説明あった方が……とか、あれっ?と思う所も無くはないですけれど、ダラダラされるよりは潔くて良いかな。
 過去と未来が交錯して描かれるのですが、ファーストジェネレーション組の描写は濃いし、X-MEN組のその後も確認できる。狂言回し役のウルヴァリンも、全シリーズ皆勤賞ならではの活かされ方。今まで見てきた者にとっては実に感慨深く、嬉しい事ですよ。
 クレジット後のおまけ映像には、古代エジプトで強大な力を放ちピラミッドを組む異能力者と4人の騎士が姿が! アベンジャーズがvsサノスなら、こちらはvsアポカリプスとは、やぁ、夢が広がりすぎる強大な敵だ!
 
 オリジナル版はドギツイ描写も多かったですし、本作監督のジョゼ・パジーリャもハードな作風に定評のある方ですが、今回はレーティングの都合もありましょう、その辺は控えめ、オリジナルよりも人間ドラマ、警察ドラマにより針を振っていました。ですが、それはそれで良い風に転がったというか。
 今回のロボコップは素顔が見えるのが基本で、戦闘時のみバイザーを降ろして戦うのですが、このアイディアが素晴らしい。バイザー有り無しで絵にメリハリが付きますし、何よりロボコップに表情の演技がつけられるので、人間ドラマに深みがでました。
 また今回は右手が生身なのですが、その理由付けが、「銃の最終的な照準微調整は本人が行う為、細かい動きが必要」、「マニピュレーターは感情によって時に精密に動きにくい」など、技術的なアプローチでもって為されています。しかしそれだけではなく、生身と機械のどちらの手を使うか、マーフィーは相手とシチュエーション毎に判断して使い分けてるのですよね。ちゃんとデザインをドラマに絡ませてくる。上手い描写だと思いました。前作のマーフィーが、自分をロボコップと呼ばせるか、マーフィーと呼ばせるか使い分けていたようでもありますし。
 メタルギアソリッド4攻殻機動隊(SAC)っぽい描写がちょいちょいあって、その辺もアニメ&ゲームオタク的に興味深かったっす。
 

17位:ポンペイ
 歴史ラブロマンスであり、剣闘アクションであり、ディザスターでもある幕の内弁当映画。アリーナで行われる剣闘は、『グラディエーター』『スパルタカス』などでもたっぷり描かれましたが、「あっ、まだまだあんなやこんな剣闘の見せ方が出来るんや!」と何度も気づかせてくれるくらい、色んな手練手管を使って楽しませてくれました。
 またそれは、クライマックスの火山の大噴火シーンも同じで、ポンペイの街を過剰なまでにあの手この手で破壊し尽くしてくれるので、当時の人々だけでなく、観てるこっちにも「この世の終わり」をちゃんと感じさせてくれるのがよろしい。それだけでなく、恋人同士が抱き合ったまま炎に飲まれ灰になるという、ポンペイが舞台になった作品ならではの、悠久の時に思いを馳せてしまう〆も気が効いてます(あんな様子で抱き合った親子や男女の灰になった姿が、実際ポンペイでかなり原型をとどめて発掘されてるそうです)。
 主人公・マイロの剣闘アクションですが、二刀流と武器奪取を効果的に用いており、ちゃんと何がしかの刀法を修めている感ビンビンなのですよね。実に様になった格好いいものでした。また騎馬民族最後の末裔という出自が最初から最後までドラマに活かされてるのも心憎いです。“ダメな方のアンダーソン”なんて揶揄される事もあるポール・W・S・アンダーソン監督ですが、どうしてどうして!
 

18位:スノーピアサー
 ディストピアテイストと ハッタリきいた絵面というハリウッド映画で何度も見た光景に、ジメッとしたバイオレンス描写、光と影を効果的に使った絵作り、そして何よりあのパワフルで カオティックな感覚という韓国映画イズムをプラスするという離れ業をポン・ジュノが見せてくれました。
 正直、後半の失速は否めないし、回収してない伏線もあるけれど、褒めたい所がいっぱいあって満足満足。
 

19位:
 元々原作がゲームから着想を得ているというこの作品、世界設定からは『ガンパレードマーチ』を想起しますが、作中でトムが何度も死んでパターンを覚え、攻略法 を図にして検討し、助っ人にも助けられ奮闘する様は、『ゲームセンターCX』の有野課長がアクションゲームに挑む時のようでもあり。挑戦と挫折、そしてそれを超えた所にある達成感という描かれ方はまさにまさに。
 ループものらしく何度も繰り返される描写も小気味よく見せて、ダレずに最後まで駆け抜けてくれますし、中々の秀作ではないでしょうか。期待以上でした!
  ラスボス倒したのになんでトムがループするんだよぉ、という意見を散見しましたが、ループについてはラスボスがする/しないを決めてるのではなくて、あの体液さえあれば勝手にループするんだと。でラスボスとトムが相打ちになったけれど、ラスボスが完全に死ぬ前にループが作動して戻ったと、そういう単純な話として飲み込めばいいんじゃないかなぁと思いました(僕は観ててそういうもんだと読み取ったので、特に疑問には思いませんでした。)
 

20位:ゴーン・ガール
 二転三転するサスペンスについて色んな捉え方する人がいて面白い作品ですよね。僕は「とても滑稽だけれど、笑えないよ!」派ですw デヴィット・フィンチャーは、観客に何がしか刺してくるから恐ろしい。「That's marriage.」はコクの深すぎる名セリフ。僕はまだ独身なのですが、結婚予定のある者、既婚者、あるいは離婚経験者は何を思ったか……。
 フィンチャー作品常連の音楽担当、トレント・レズナーによる、何気ない、されど確実に終始不穏な音楽は、これぞ劇伴といった所でしょうか。
 

21位:テロ,ライブ
 ほぼ全編、ラジオのスタジオブースでお話が展開されるシチュエーションサスペンス。余計な説明も無く、スパッと本筋が開始される気持ち良い潔さ。良い掴み!
  功名心から聴収率(視聴率)を稼ごうとした主人公が、犯人との駆け引きや、より大きな「汚さ」の前にどんどんドツボにハマっていき…というストーリーは、 中だるみも無く、最後まで引っ張ってくれます。やや無理もあるかなとは思いますが、ここまではっちゃけてくれりゃドンマイでしょう。まさかあんな大事になろうとは!
 CGもハリウッド級では無いにせよ、効果的なポイントのみ派手に見せて、かなり頑張ってたと思います。日本と同じアジア圏の作品なので、つい比べてしまうのですが、邦画じゃここまで突っ込んだ表現、そしてこんな大胆な二転三転はできないだろうなぁ……! 面白かった!
 

22位:her/世界でひとつの彼女
 恋愛とは、あるいはそもそも他人と関わるという事、他人と関わりたいという欲求とは。そしてそれらは僕らが生活していく上で切っても切れない、モノ・コトですが、ではさて、生きるとは? 僕ももう三十路も半ばですが、これ位生きてると思い当たる事しきり。痛い!
  真面目な話、アニメキャラに想いを馳せたり、『どこでもいっしょ』『ラブプラス』をプレイしたりするようなオタク、90年代のオタク受難時代に隠れて活動し、「一般人」と関わるのが怖い、「一般人」にコンプレックスを持つようなオタクが観るべき作品だと思います。「えぐる」作品ですが、それでも見終わった 後に、他者と繋がる事とその経験の素晴らしさを再確認しました。癖のある秀作!
 

23位:ホビット 決戦のゆくえ
 元々原作の五軍の戦いもひたすら戦うだけお話なのですが、本作でも延々バトルが続く感じ。バトル自体のクオリティは高いのですが、正直もうちょっとグッとさせる男泣きポイントが欲しかった……。前作で圧倒的な力を見せたスマウグも、あっさり片付いてしまったのも拍子抜け。大胆に脚色して、五軍の戦いに乱入してくるくらい しても良かったか、と無責任な立場では思ったりもする訳ですよ。
 とはいえ、描かれる世界の緻密さ、LOTRへの補完等々、ファンなら見応えがあるシーンも多いし、LOTRの冒頭に繋がるラストを見せられると、今まで見届けてきた歴史物語にピリオドが打たれたという感慨、ようやく物語が繋がった達成感もひとしお。
 アーケン石のその後とか、描かれてしかるべき事がポツポツ抜けてたりするので、エクステンデッド版に期待かなぁ。
 
 
24位:獣電戦隊キョウリュウジャーvs特命戦隊ゴーバスターズ 恐竜大決戦 さらば永遠の友よ
  我らが坂本浩一が、初めて監督するスーパー戦隊映画。足し算で見せていくマシマシ物語に、その上助っ人戦隊や次回作の戦隊の活躍まで盛り込んでも破綻が少ないのは流石。特に次回作戦隊を、おまけ的に物語の最後に登場させたのが上手い。今までの映画ではそれにさしかかると、物語の流れが完全に 止まってしまい、なんなら夾雑物の感すらあったのだけれど、このやり方ならまったく邪魔にならない。
 

25位:イン・ザ・ヒーロー
 東映アクションクラブ出身である唐沢寿明の役者人生のifであり、劇団東京都鈴木区の舞台 『ヒーロー・ア・ゴーゴー』であり、ミッキー・ロークの『レスラー』であり、日本でアクション俳優を志す者の哀歌であり、応援歌であり。首の故障を抱え、アクション俳優業界を取り巻く厳しい現状の中 「オレがやらなきゃ誰も信じなくなるぜ!」と気を吐きもがき格闘する様には、唐沢寿明氏が単なる演技を超えた自らの思いを演技に乗せていたのでは、と感じました。それ位、主人公の本城と唐沢氏がかなりイコールに見えます。
 ただし……これを求めるのも難しい事なのだろうな、とは判っていますが、あえて厳しい事を言うと。クライマックスのアクションシーンは、「アメリカ進出を心底望む一ノ瀬リョウがなんとしても掴みたいチャンス」であり、「本城が何目も置く、アクション作品で名を売ってるメジャー監督が撮るハリウッド大作、そのアクションシーン」な訳ですよ。なのに全くそう見えない! セットにせよ、見せ方にせよ、せいぜい『イン・ザ・ヒーロー』程度(あえてこう書く) の邦画のアクションシーンにしか見えない(この手の指摘、この後にランキングさせてる邦画でも何度かしてます。今の日本ではしょうがない事なのでしょうが)。

 また本作の公開と同時期に『るろうに剣心』が上映されていますが、あっちの方がよっぽど、こちらの想像を上回るようなアクションを見せてくれるんですよね。アクション俳優の話なのに、アクションの見せ場が色んな所に負けちゃってるんです。キャストの動きは良いんですよ。良いんですけれども、今のハリウッドが見せる最新・最高のものには申し訳ないけれども全く見えない。

 このアクションシーンが例えば、『キル・ビル』の青葉屋カチコミシーンであるとか、映画好きなら誰もが「ほぉ!」「おお!」と膝を打ち手に汗握るような、後々語り草になるようなシーンであったなら…! 勿体無いなぁ。

 

26位:RUSH ラッシュ/プライドと友情
 自由奔放・快楽主義者の野生児と、真面目一筋、コンピューター人間という対照的な二人のドラマと奇妙な友情を描いたレース映画。職業ものとしても興味深かったですなぁー。あ、僕は断然リスクを避けるニキ・ラウダ派です。もうおっさんですのでw
 

27位:ローン・サバイバー
 ピーター・バーグ監督が『バトルシップ』の次に作ったとは思えない程に、リアルに寄って描かれた極限の戦闘シーンは驚き。一部では干されたとの噂もある、『バトルシップ』主演のテイラー・キッチュをちゃんと起用してくれるあたり、監督の懐の広さも図れようというものです。
 主人公たちと同様、ひたすらに劣勢の坂を転げ落ちる消耗戦が続く戦闘シーンは喉が乾きます。しんどー! 痛々しい岩場での坂落ち(2回もある!)シーンは階段落ちを超えたね! あの後でもちゃんと動くM4は丈夫な銃だなぁ。
 
 
28位:大脱出
 頭脳派スライと、超人キャラの時には見られない演技をするシュワが見せる、今の時代にアップデートされた「あの頃」アクション。クライマックスでシュワがミニミをぶっ放すシーンの「溜め」なんて、まさにまさに。映画館で拍手しそうになっちゃったよw
 脱獄ものなのでケイパー映画のような「企て」も楽し。アラも結構あるけれど、「あの頃」映画風だなぁと思って観てしまうのでそうそう気にならずだ。
 2 大レジェンドに対する刑務所長役、ジョージ・クルーニークリスチャン・ベールを足したような顔のジェームズ・カヴィーゼルがまた良かった! 設定だけなら陳腐な役とも断じてしまえるキャラを、抑制されたオーバーアクトでもって、クセのあるイヤミで冷酷でシツコイ曲者として、魅力的に演じていて宜しゅうございました。
 

29位:ドラッグ・ウォー 毒戦
 終わり方に好き嫌いあると思いますが、潜入捜査の緊迫感、クライマックスの近距離銃撃戦の迫力(ジャン警部のハコ乗りアタックにはリアルに吹き出しました。格好いい!)、登場人物のキャラ立ち、そしてニヒリズムたっぷりなドライさ。見応えある上質のノワールでした。
 

30位:映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
 小気味いい下品ギャグと動きの面白さ。ストーリー以外の理屈抜きに楽しめる部分も充分素晴らしかったです。特に五木ひろしロボのくだらなさと繰り出される妙なドラッグ感覚溢れる技ね! あ~っクラクラするぅ!
  『オブリビオン』的な面もあり、『アイアンマン』的な面もあり(あっ、そういえばひろしの声の藤原啓治さんはトニー・スターク! 脚本の中島かずきさんは アメコミマニア!)。そうそう、冒頭の完全にインフレしてるカンタムロボの戦闘は、中島かずきさんが脚本を担当した『天元突破グレンラガン』的でもありま した。
 

31位:ファイ 悪魔に育てられた少年
 序盤はちょっと退屈だったけど、ファイが自分に疑問を抱きだしてからは面白さがグッと上がりました。ファイが5人の父に仕込まれた犯罪テクニックを駆使する格闘&カーアクションは見もの。
 ファイの本当の親と、そして育ての親ソクテとの二重の親子の物語を見せる構図なんですが、ソクテの歪んだ愛の壮絶さたるや! キム・ユンソクいい芝居、いい表情してます。
 主演のヨ・ジングも15歳って年齢が信じられないくらいいい表情するんですよなぁ。逸材はいる!
 
 
32位:フューリー
 口の悪い体育会系集団大好き デヴィッド・エアー監督のハードな描写に、戦場の悪徳が+されると、わぁ嫌らしいわぁ。死体をやたらに酷い撮り方するんですよねぇ。「うぉぁ、突っ込むなぁ、すげぇ!」と喝采を送ると同時に「わー現実だったら敵わんなぁ」とアンビバレンツなアガり&引き。前線でない軍営描写も血と腐敗臭が嗅げそうな位。野戦病院で、その辺にテキトーに血を捨ててる様を見た時はそれはそれは渋い顔したよ俺さん。4DXでこの臭い再現したらみんなゲロって退場するぞ! 
  目玉の、実物を稼働させたというタイガー戦車はボスキャラの風格、「よっ虎屋!」って声掛けしたくなるような、じっくり溜めを作っての堂々の登場ぶり。一撃のタイガーvs数&機動性のシャーマンのバトルは見応え充分。曳光弾がやたらに派手に、敵味方色違いで乱れ飛ぶのは、なんだか『スター・ウォーズ』のブラスターの撃ち合いのようにも見えますが、実際あそこまで派手なものなんですか?
 

33位:300 帝国の進撃
 本作のギリシャ兵は、前作で言う「戦士」以外の、農民や詩人や商人たちの寄せ集め軍。皆マッチョで戦闘も充分こなすのですが、戦闘キチガイ突き抜け感は無し。敵も前作の不死の軍団風の被り物をした兵は出てくるものの、アルテミシアの近衛兵以外はそんなに個性的でもなく。敵味方のパンチが弱いかなと。主人公のテミストクレスも戦闘キチガイ寄りではあるのですが、それでも割と正統派の戦士・将軍なので、レオニダスほどトンガってないんですな。そして俺様最高なクセルクセスの出番も少なめとあれば、この作品はやはり、エヴァ・グリーン演じる所のペルシア女裏番長・アルテミシアの無双ぶりを語る他ないでしょう。
 クセルクセスを神に変えた毒婦であり、舞うように二刀を操る戦いの女神であり。この作品で唯一の笑い所と言ってもいいような、テミストクレスとのグラップリングスパーのようなバトルセックスには、普通思いついてもやらないだろ!とバカ負けしましたw アルテミシアが登場するシーンはいちいち強烈で、その場を持って行っちゃうんですよなぁ…… 捕らえた敵の首を容赦なく切り落とし、その生首をむんずと掴んで接吻するシーンは正直勃起モンでしたな。
 

34位:ドラキュラZERO
 串刺し公・ヴラドが如何にして吸血鬼となったか、というドラキュラ秘譚。90分という尺で、大体僕らが期待するもの・見たいもの全部見せてくれる良コスパ映画。闇の力をえたヴラドが、1人で(!)オスマン帝国軍に立ち向かう様は、これ光栄こんなゲーム出すんちゃうかなというような、まさにドラキュラ無双。殴り、斬り、蝙蝠アタックで敵を蹴散らし、ゲージが溜まったら必殺の串刺しムーブだ! 恐怖せよ!
 とはいえ単なる出鱈目アクションでもなく、結構ちゃんと歴史的事実やドラキュラに纏る逸話、他のドラキュラ映画からの引用もあり、ほほうともさせられ。主演のルーク・エヴァンスや敵のドミニク・クーパーも決まってた。二人の甲冑格好いいよねー。
 噂ではユニバーサル映画が、過去のホラー映画の数々を再生させ、最終的に各ダークヒーロー達を一同にアッセンブルさせるプロジェクトがあり、これがその嚆矢とか。わくわくじゃよ!
 
 
35位:フライト・ゲーム
 飛行機内という限られた密室で撮られた本作は低予算の匂いプンプンですが、『ノンストップ』という原題の通り、緊迫感あるサスペンスがどんどん進むので見てて飽きる暇が無いですね。
 真犯人の計画が結構雑なのと、謎が明かされてからの盛り上がりにやや欠けますが、それまでは良く観客を引き込んでくれるので良しとしましょう。元々尺が100分少々な事もあり、コンパクトに纏まっていながらも楽しめます。『96時間』リーアム・ニーソン好きなら見て損無し。
 

36位:猿の惑星:新世紀
 なぜ猿が進化したのか、を描いた前作に比べ、話の展開が読み易すぎるという嫌いはあります。とはいえ、シリーズのキモ「差別する側・される側」についてもきっちり描き、前作よりもより『猿の惑星』感を堪能できます。猿の数も、前作とは比べ物にならない位多数出てきますが、顔にキズをつけたりなどで、主要な猿についてはさり気なく個体の認識を容易にしてる手腕はお見事。
 前作でもシーザーの「目」による表現が巧みでしたが、今回はさらにそのパフォーマンスに向上が見られるというか。猿に表情がつきすぎるとリアリティを失ってしまうので、まさに目は口ほどに物を言う、を地で行くボスになってます。格好いい!
 ただ幾ら人間並、あるいはそれ以上のの知能を猿が持ったとはいえ、いきなりそうそう銃を正確に扱えないだろうとか、弾切れの際、弾倉をどこで手に入れるのかという物理的な面と、機能を知らないからリロードできないだろとは思ったよね……。 あと倉庫から奪った銃にかかったままの安全装置はちゃんと解除できたの?とか、何故かやたらに銃関係の事が気になったとさ。
 

37位:エクスペンダブルズ3 ワールドミッション
 勿論楽しい作品なのですが、どんどん参加スターが増えていってる上に、今回若手チームまで出てきてるので、各々の見せ場の尺が当然分散、薄まるというプリキュアオールスターズ問題をこの作品でも確認する事になろうとは……。 そのスターたちのギャラが高すぎて集客に気を使ったのか、こっそりレーティングの年齢制限なくなったのでゴア描写なども薄味なのもちと寂しい。
 やっとお鉢が回ってきたバンデラスとスナイプスは儲けものな役柄でしたね。色んな所でゴリ子扱いされてるロンダ・ラウジーの活躍ぶりもファンとしてはヒャッホーものでした。僕もクラブでノされたい!
 

38位:ハリケーンアワー
 画面も全体的に地味で、低予算感丸出し。とはいえそんな中でも、娘の命という「制限時間」を軸に、サスペンスエンターテイメントとして色々やりくりしてて好感が持てました。
 当初は生まれた娘に実感の持てなかった主人公ですが、その小さな命を守り続けていく内にやがて父となるポール・ウォーカーの演技は、ワイルド・スピードシリーズとはまた違う魅力に溢れていました。もっともっとスクリーンで彼を見たかったなぁ……。
 
 
39位:アナと雪の女王
 ゲームのニューハードが出たら火や水の自然物を見よとはよく言ったものですが、冒頭の氷を切り出すシーンの水・氷の映像表現にはいきなり度肝抜かれました。神田沙也加さんが吹き 替えるアナの愛おしさも堪らないです(できうるならば、彼女にはもっとTVアニメの声も当てて欲しい!)。
 有名すぎ る『Let It Go』のくだりは、あらゆる軛からヒロインが開放される、正のベクトルのカタルシスある曲なのに、その実、歌い手のエルサはあらゆるモノに背を向けて全くの孤独を選んでいるという事実に驚きました。曲は最高のクライマックスを迎え、エルサは「私は解き放たれた!」と歌いきる。と、それと同時に自らが築いた氷の城の門を閉ざし、全てを拒み閉じこもる。90年代のオタク冬の時代に青春を送った僕は、思わずシンパシーを感じてしまいゾッとしました。これ子供向けでやっちゃうか!
 ただ、割と中盤以降の話の進め方は雑ですよね。ああっ、そんな簡単に事が収まるとはっ。その辺もうちょっと煮詰めて欲しかったとは正直思いましたね。
 
 予告編ではいかにもなヘラクレスの伝説のシーンを釣瓶撃ちで見せておきながら、本編では「あれは実は…」と伝説の真実、裏側を見せるような不思議な作りになってます。
 ただ僕はその伝説の冒険譚目当てで劇場に足を運んだので、あれっ?と首を捻ったのも事実。終盤まで首を捻り続けましたが、クライマックスでいよいよヘラクレスが覚醒した時には、その溜めが効いていただけに逆にアガりましたね。終盤はホントもう色々ノリノリだな感があってかなり楽しいです。
 結局ヘラクレスはただの人間だったのか!と言う人もいますが、僕はヘラクレスが試練を経て、本来の力が覚醒したのだ、彼はやはり神の子であったのだ、と解釈してます。(ちなみに劇中では明言されず)


41位:劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-
  キャラクターの本質に迫ろうというお話はとても好みだし、盛りあがりどころもしっかり作ってあって楽しめます。だがだからこそ、根性で解決したり、新キャラのライアン扱いが割りと雑なのが気になりました。虎徹とライアンを対比させるような物語にするとかした方が深みがでたかも? あとこれが無いと虎徹がヒーローとして活躍しにくいという事なのでしょうが、彼が扱うワイヤーが、スパイダーマンのウェブ並に万能なのも気になります。安易に虎徹の能力が元に戻ったりしなかったのには好感が持てましたね。
 

42位:るろうに剣心 京都大火編
 流石谷垣さん、今までの剣劇では見られないような、ヘンテコでやんちゃで格好いい殺陣を組んでくれてます。僕は映画に非日常性を求めてしまうので、その視点で見ると大概の邦画は漏れてしまうのですが、これくらいやってくれると、見に来た甲斐もあったなぁと。
 ただ、芝居、脚本、演出など、予算規模とは別の所で“安っぽさ”が見て取れる。この手の「隙」が、非日常感の邪魔しちゃうんですよ。
 

43位:るろうに剣心 伝説の最後編
 アクション はさらに進化。vs宗次郎戦などは惚れ惚れします。しかしやはり例の“安っぽさ”は相変わらず。薫殿の扱いの適当さや、斬首刑寸前の剣心を見ても囲いを蹴 破って猪突しないらしくもない左之助といったようなキャラぶれ、一応の格好をつける為のような、とってつけたラストの敬礼などなどの「粗さ」には、アクションが凄いだけに、もっと頑張ってくれよ! と言いたくなります。
 
 ジョリ姐さん演じる所のマレフィセント、はっきり言って「悪く」ないです。オーロラに呪いをかけるのも「そりゃそうしたくもなるな」と思わせる程にクズい王様…! マレフィセントにいちいち同情・共感してしまう。オチも読めてしまうと思わせておいて、実は…というのにも期待したけれどそれもなく。果たして予想通りに物語は終わります。悉くの描写がどれも浅めなので、こちらに響く前にあれよあれよと終わってしまった印象は否めない。
 とはいえ、マレフィセントが魅力的に撮られているのは確か。ジョリ姐さん好き、強い女好きなら、延々それを見てられるので大層幸せになれます! 素敵! 俺、鉄製品うっちゃってマレフィセントさまのしもべになりに行くんだブヒー!
 百合要素もそこそこにあり(親子愛よりだけど)、その辺が好きな人ならそのポイント突破で楽しめるんじゃないかなーとは思いました。
 

45位:ノア 約束の舟
 方舟伝説において、ノアは善人であるが故に神に選ばれたのだったと思うのですが、本作では単に善人だったからというのではなく、何が何でも神の使命に従う人間絶滅マシーンだったから選ばれたのだ、という展開にはびっくらこきました。最終的には神の「試し」に応えうる人間だったから、というオチではありますが。
 ノア役のラッセル・クロウが戦闘で高い白兵戦能力を遺憾無く発揮しててガッツポーズ。グラディエーターよ再び! あとトバル・カインの国の飢えた民衆の描写が殆どゾンビ(放り投げられた生きた豚に群がり、手で肉を割いて奪い合う!)だったのには心の中で爆笑!
 ただやっぱりキリスト教徒じゃないと判んないというか、深く理解できないんじゃないかな、とも思わされました。こういう映画を観る度に、俺はキリスト教に入信するべきではないのかという不純すぎる思いに囚われます。
 
 ドンパチものかなーと思って見に行きましたが、サスペンスアクションでしたね。DEAの麻薬捜査特殊部隊のシュワちゃんが「それっぽい」動きをしてくれます。大口径のハンドガンではなくグロックを使ってたり、貫通力の高いアサルトライフルなど、室内戦を意識したリアル指向の武器チョイスも良いですね。
 但しサスペンスとしてはとっちらかってるなぁという印象。真犯人の動機が弱い、真犯人が判明した時の「こいつかぁ!」のカタルシスに欠ける、物語にある2つの軸がなかなかクロスしない、クロスしないが故に最後のパートが蛇足にも思える……などなど、問題は結構山積み。また「過去にここでこんな事があった」というフラッシュバックを、明確な場面・画面の転換無しに行うので、観ていてそれが今起こっている事なのか過去の事なのか、もの凄く判り難い。『エンド・オブ・ウォッチ』はあんなにキレキレだったのに、どうしたデヴィッド・エアー
 脚本が今ひとつというのもあるけど、それにしてももっと編集でどうにかなったろうし、むしろその編集で失敗してるシーンが多いという感。とはいえ、今までとちょっと違う役柄のシュワが見られるのと、女刑事、女隊員の演技は良かった。雰囲気は好き。
 

47位:アメリカン・ハッスル
 詐欺師が主役という事で、騙し騙されのスリルを期待したのですが、人間関係のドラマをじっくり楽しむ作品でした。(これは相性問題ですが)字幕版で見たのですが、と会話劇を楽しもうとすると、役者の演技や70年代を再現した魅力的な画面が目に入りにくいのは失敗でした。
 ジェニファー・ローレンスは、作品によっては野暮ったくてあんまり魅力的には見えないのだけれど、今回の髪型とメイクはイケててエロかった。コンパで会うと楽しいけれど、そこからいざ親密になると訳わ からん面倒臭さプンプンで嫌になるような、躁鬱の激しくて浅はかな女という役どころの演技がブッ飛んでたなー。『死ぬのは奴らだ』を髪を振り乱して歌うシーンの妙なカタルシスといったら!
 

48位:荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて
 妙に豪華なキャスト陣にこんなクダラナイ事をやらせるセス・マクファーレンの人間力は一体…! ダンスシーンを始めとして、楽しいには楽しいですが、『テッド』よりはギャグが滑り気味でもあったかなぁと。リーアム・ニーソンの美尻に乾杯!
 

49位:サファリ
 危険なサバンナで遭難した旅行者達のサバイバルを描くPOV映画なのですが、予想通りの所で大体予想通りの事が起きるので、安定してそこそこ楽しめるけど大きな驚きはなかったかしら。
 マヤ役のクロエ・カービーのタンクトップ&ホットパンツ姿が妙にエロかったっすね。
 

50位:LIFE!
 40代曲がり角の男のロードムービー。巡っていく世界の映像の美しさは○。ただ映像は美しいのですが、お話としては割と淡々と進んでいくので、もっと捻りや仕掛けが欲しいと感じました(というか予告を観て、主人公のダイナミックな妄想映像がもっとふんだんに挿入されると思っていたんだよう)。
 昨年3月公開の映画なのですが、個人的に昨年後半で仕事について思う所多々あったので、今見返すと順位はもっと上がるかもしんないです。
 

51位:マイティ・ソー ダーク・ワールド
 アスガルドMCUマーベル世界の描写には惹かれるけれど、他のMCU作品と比べると今ふたつ程盛り上がりに欠ける感。ソーとロキの兄弟のイチャイチャは観られるけれど、もっとタッグバトルしようよ……! 割と小ネタギャグをふんだんに挟んできて、それはまぁ楽しいのですけれど、クライマックスでもその調子なので、そこで一旦流れが止まるのが気になりました。
 

52位:エージェント:ライアン
 手堅いというよりは、新しみの無い作りと、かなり綱渡りな作戦に疑問符。知性派としてキャラ立てしてるライアンの「頭の良さ」の表現も今ひとつ。敵の陰謀を割り出すシーンは、視覚的な漠然とした表現に逃げちゃったような気も。「ああ、こいつ頭いい!」ってもっと素直に唸りたかったなぁ。
 巻き込まれ中の怯えた子犬みたいなキョドり感溢れる顔から、徐々にエージェントとして成長した顔を見せる、ライアン役のクリス・パインの演技は良し。
 
 3年ぶりに田舎に帰ったら、「そぉら地元の名物料理だ、たらふくお食べ!」と、今まで以上に歓待されて、もう食べられない、も~う食べられないと胸焼けしつつ飯を食べてるような映画。長い。ひたすらに長い。
 過剰なまでに中国企業に寄り添い、作中で並び立てられるプロダクトプレイスメントについて、ライムスター宇多丸さんが、「これはマイケル・ベイがわざとやってる悪意である。あるいは『あんたらが好きな古き好き映画は滅びていて、俺らが作って今あんたらが見てる映画は別のものなんだよ、残念ながら。』『巨大資本を利用して資金集めをしようと思うとどうなるか。モラル無き利益追求の行き着く果てがこれだよ。』という主張である。」と読み解いていましたが、だとしたらこれはお金を払って「トランスフォーマーの映画」を見に来た観客に対して不誠実な事だなぁと思います。一応は原作もあるような映画でそんな主張はしないで、そういう趣旨の映画を作るなり、別の手段で訴えかけをすればよろしい(勿論この見立てが正しいとは限りませんし、自分の本意ではないようなものをたっぷり作品に盛り込まなければならない製作陣の苦い思いも判るつもりではありますが)。
 
 ルパンのパブリックイメージって、やっぱりアニメ版だと思うんです。それを変えるべき所は変え、残すべき所は残し、どう実写にコンバートするのか。その取捨選択が上手くいった所、そうでない所が混在しているように感じました。
 劇場栄えする奇想天外なストーリーや絵作りなどを追求すると、その「ルパンらしさ」や、アニメやマンガを実写化する際に、原作よりも高められる「作中のリアリティ」と齟齬も出てくると思うんです(というか実際出てる)。それを気にして変にまとめるよりは、型破りに突き進んだ方が良いと思いますし、本作もそのベクトルで作られているとは思うのですが、そこは予算の都合、邦画レベルでは充分頑張った画面なのですが、ハリウッドアクション作品に比べてやっぱり安く見えてしまう。もうこれはどうしようもない事、今の邦画の限界だとは思うのですけれどね。そしてその「予算都合の邦画の限界」とは別に、これもるろ剣と同様やっぱり脚本などの粗が気になってしょうがない。スタッフの力量の限界でしょうか。
 小栗旬さんは良かったですよ。アニメルパンの軽妙さを、あのお調子感から所作まで取り入れて、上手い着地点を見つけたなぁという印象。逆に浅野忠信さんの銭形は、アニメ版を変にカリカチュアライズしたような芝居で、声色も変に納谷悟朗さんを真似たようにガラガラ声を作っているのがダメ。個人的に今までの演技でワースト1です。香港警察署での説明台詞聞き取りにくいよ! あと『アジョシ』最強の敵を演じたタナヨン・ウォンタラクンさんが全く格闘をしないのにはドガッカリ。あれじゃ連れてきた意味無いじゃないですか。
 

55位:ドラゴン・コップス 微笑捜査線
 ジェット・リーが主演みたいな宣伝のされ方ですが、サブキャラです。主人公の刑事のバディですらない。コメディーなのに笑いにはキレが無く古臭い。途中まで張ってた伏線がまるっきり投げっぱなしでジェット・リーもアクションシーン以外はやる気なさげという三重苦。う~ん。
 

56位:平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
 平成と昭和が対決に至る理由が雑! 相談しようよ! ゲストの戦隊たちの唐突さ! 『ウルトラマンメビウス』の80回のような555後日談は良かったですが……。
 「本来のお客さんの子供達が喜べばいい」『お祭り感』という言葉を何度聴かされればいいのか……。それらはごもっともな言葉ですし、予算や尺の都合があるのは重々承知ですが、今まで何度もライダー集合映画作ったのに、一向に改善が兆しすら見えないのは残念(プリキュアオールスターズは問題も抱えながらも、試行錯誤して改善が見られるのになぁ)。本作を期にライダー映画から足が遠のいています。
 

57位:キカイダー REBOOT
 高橋メアリージュンさんが、たべ・こーじ先生の描かれるギャルみたいでエロかった以外、褒める所が一箇所も無いの……。
 「そんな事あらへんがな!」と言いたくなるシーンばっかりなのには閉口。例えば冒頭のマリのマンションへの襲撃シーンひとつとっても、只のマンションに何故ヘリポートがあるのか、ヘリポートに下に降りる階段や入り口が見受けられないのは何故か、敵の大型メカが登場した際に、特殊部隊はどうやってヘリポートからはけたのか、その後ルポライターの服部はどうやってヘリポートに上がったのか……と、すらすら疑問が出てきます。リアリティラインを旧作よりだいぶ上げてるだけに気になっちゃうんですよね。
 アクションも頑張ってはいますが、これぞというシーンは無し。クライマックスのキカイダーvsハカイダーも、機械のヒーローならではの戦闘描写でもあれば良いのですが、ただただ単調に長々格闘してるだけで正直飽きてしまいます。一番格好いいシーンが、プロフェッサー・ギル役の鶴見辰吾が、ハカイダーに独白しながら影の中狂気の眼差しを浮かばせる所、というのもヒーローものとして問題だと思います。
 
 
 
 
 以上57作品のランキングでした。なんだかんだで面白い作品が多かったなぁ。

イン・ザ・ヒーロー【ネタバレ】感想部分

2014年9/6 twitterの『イン・ザ・ヒーロー』感想の続き、ネタバレに触れる部分

 

 決死のアクションを演じる為に主人公・本城が忍者装束を着こみ、セットに向かうシーン。いやぁ、この唐沢寿明の格好良さたるや! 事ある毎に本城は「武士道」を持ち出しますが、まさに「死ぬことと見つけたり」の佇まい。

 クライマックスのアクションシーンは……今の邦画では、かなりのレベルの殺陣を見せて貰った気がします。50歳の唐沢寿明と72歳の松方弘樹の殺陣がねぇ!格好いい!

 ただし……これを求めるのも難しい事なのだろうな、とは判っていますが、あえて厳しい事を言うと。 劇中でこのアクションシーンは、アメリカ進出を心底望む一ノ瀬リョウがなんとしても掴みたいチャンスであり、本城も「あの!」と何目も置く、アクション作品で名を売ってるメジャー監督が撮るハリウッド大作、そのアクションシーンな訳ですよ。なのに全くそう見えない! セットにせよ、見せ方にせよ、せいぜい『イン・ザ・ヒーロー』程度(あえてこう書く)の邦画のアクションシーンにしか見えない。

 また今同時期に、『るろうに剣心』という、日本アクションエンタメ界の奇才・谷垣健治氏が上映されていますが、あっちの方がよっぽど、こちらの想像を上回るようなアクションを見せてくれるんですよね。最大の見せ場がもう、色んな所に負けちゃってるんです。前述した唐沢寿明福士蒼汰らの動きは良いんですよ。良いんですけれども、今のハリウッドが見せる最新・最高のものには申し訳ないけれども全く見えない。ここが例えば、『キル・ビル』の青葉屋カチコミシーンであるとか、映画好きなら誰もが「ほぉ!」「おお!」と膝を打ち手に汗握るような、後々語り草になるようなシーンであったなら…! 残念だなぁ。

ゴジラ(ギャレス・エドワーズ版) ごく個人的体験とネタバレを含む感想

 映画鑑賞。
 DVD鑑賞じゃなくて映画鑑賞。
 どのような違いや差があるかというと、劇場には大スクリーンや迫力の音響などなどの、「ならでは」な設備がありますが、それ以上の大きな違いに、観る前・後を含めた体験感にあると思うんですね。
 あの映画はこうなんだろうか、ああなんだろうか。予告映像や雑誌情報、試写を見てきた人から伝え聞く報に一喜一憂するよし、ストイックに一切の情報をシャットアウトするもよし。それぞれがそれぞれの方法で鑑賞日までテンションをコツコツ高めていく。鑑賞後も余韻を噛み締めつつ、喫茶店でしみじみパンフを読み込んだり、仲間と喧々諤々語らったり。一つのイベントごととしての盛り上がり、思い出体験が堪らんのですね。

 で。
 僕が親のお供ではなく、自ら望んで能動的に親に頼んで映画を見に連れて行ってもらったのって、1984年の『ゴジラ』なんですよね。事前にテレマガだかてれびくんだかの特集で、「謎の超兵器・スーパーX大予想!」というような記事があったのですが、巨大ロボか?! 超高性能戦闘機では?!などとズラリならぶ予想図を見た保育園児は、「これは巨大ロボでゴジラをやっつけるに違いない!」と妄想を膨らみに膨らませて、劇場でややズッコケましたですよw や、あれはあれでアリかぁとは思いましたけど!(巨大ロボVS怪獣映画の夢は、いよいよ昨年、『パシフィック・リム』で叶った訳ですが・閑話休題)
 今回のギャレゴジは、情報をできるだけ遮断して臨んだので、観る前までは淡々としたものだったのですが、いよいよ劇場に入り、中で流れる初代ゴジラのBGM、おっさん中心の客層ながらも、そこそこちびっ子も集った客席などなどを耳に目にしている内に、なんだかどんどん高まってまいりまして! そうだよ、FWからどれだけ待ったんだ我々は!
 そして怪獣王の帰還を見届けた僕。ただただ怪獣王の超ド級の存在に圧倒され、その緊張から開放された帰り道に、「あっ、この事前の高まり!(それは瞬発的なものとはいえ、根本には10年の溜めがあった訳ですからね。デラーズ・フリートなんて目じゃないぜ。) そしてこの開放感と興奮! 保育園児だったあの時と同じだ!」と、1984年のあの日から30年後の今日が線になって繋がった瞬間の興奮、歴史あるものに関わる事でしか感じる事ができない感動を噛み締めてたら、なんだか泣けてきちゃってねぇ。こんな体験滅多にできるもんじゃないなぁと。極々個人的な理由ですが、それでいいの。今回の『ゴジラ』は大変思い出深い、幸福な「映画体験」となりました。映画最高!ゴジラ最高!

 

 

 


~以下ネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 84&平成ゴジラを、ハリウッド資本でアップデートさせて「今」に当てはめたような作品。素晴らしかった!
 画面に映るゴジラの絵力という物理的な存在感、そして映っていないシーンでも登場人物と我々に圧をかけてくる精神的な存在感の両方がハンパない。正直、怪獣プロレス的な要素は思ったより少なめ。そこを非とする人もいるのだろうけど、それにはパンフレットより、SFイラストレーターのボブ・エグルトン氏の言葉を引用させて貰いたい。「『なかなかゴジラが出てこない』と言ってる人はどこを見てたんだ? ヤツは映画全体を支配してたじゃないか。」!

 

 監督のギャレス・エドワーズゴジラマニアとしても有名ですから、怪獣プロレスを膨らませようと思ったら幾らでもできると思うんですよね。僕も「もう一声!」と思わなくもない所はあるのですが、それこそ抑制・溜め・引き算の美学でしょう。お陰でゴジラとムートーの睨み合いから組んず解れつの大バトルが引き立つ引き立つ!有り難や! 力道山の空手チョップばりに、溜めて焦らしていよいよ炸裂する──。やったぁ、放射熱線だぁぁぁぁ!(ご丁寧にこれも波動砲ばりに、背びれの発光カウントダウンという溜めを作ってからの大放射で、観客のカタルシスが爆発するんですよね。ゴジラ波動砲も日本のものなのに、ついにこの絵を産み出す事はできなかったのよね、新しい!)

 怪獣プロレスに針を振りすぎなかったのは、それこそゴジラマニアの監督ならではでしょう。1954年の元祖ゴジラからはじまり、脈々とシリーズに息づく「核」「放射能」との関係性と、荒ぶる自然・神の象徴たるゴジラ。これもちゃんと、現代に則した形で描いているんですもの!
 二大怪獣の性質上、常に「放射能」というワードがついてまわる本作。制御できぬままに拡散される放射能に対して、それを吸収する怪獣の蛹の性質を利用し汚染区域の浄化を図るも、やがて蛹は孵化、別の制御できぬもの・ムートーを生み出してしまった人間。キロトン級の原爆でも退治しきれないゴジラ諸共、二体のムートーを爆殺しようと、メガトン級の原爆を用意する米軍だが、その目論見は失敗し、自ら用意した兵器に翻弄される。
 果たして原爆はサンフランシスコ沖で爆発。ムートーもゴジラの手によって倒された。「怪獣王は救世主か?」などとゴジラを報じるマスコミ。芹沢博士が語るように、ゴジラとは調和をもたらす存在だとしたら──。散々制御できぬものに振り回されながら、ゴジラを「救世主」と言ってしまう人間の傲慢さ、愚かさよ。芹沢博士は、劇中でこうも語る。「人間が傲慢なのは、自然は人間の支配下にあり、その逆ではないと考えている点だ。」

 その他地震(のような振動)から原子炉倒壊という惨状描写は、東日本大震災からの福島第一原子力発電所事故を受けてのものであるのは間違いないでしょうし、ハワイを襲う巨大な津波、飲み込まれる旅行者の姿も、それを想起させるものです(こちらは映画『インポッシブル』でも描かれた、スマトラ島沖地震がモチーフにされている所もあるかもしれません。) そしてゴジラやムートーに破壊されるビル群はアメリカの同時多発テロ事件をと、まだゴジラシリーズでは描かれていない「今」をきちんとゴジラならではの見せ方で盛り込んでいるのは意義のある事でしょう。

 このようにゴジラシリーズだからこそ描かれる事、ゴジラシリーズに今描かれるべき事をきちんと取り上げ、しっかりドラマやテーマを(怪獣たちを意識させ続けつつ)描く事が、軍隊や怪獣とのバトルへへの効果的な「溜め」にもなっていると感じました。これはやはり計算されたバランスなのかな、と思います。

 


 ビジュアルとしても、前述の波動砲ライクな放射熱線描写をはじめ、「これは!」というシーンが色々ありますよ。
・巨大な津波を起こし、それに人間を巻き込ませながらも全く意に介さず(当たり前だ)、ハワイに上陸、照明弾に映し出されるゴジラの体軀の巨大さよ!(ゴジラの身長が高すぎて照明弾の明かりでは顔が見えない!ここはまだ主役の顔は見せないという良い「溜め」のシーンでもありますね。)

・同じくハワイの空港で、遠景にムートーを望みながら、空港ビル近くに突如出てくるゴジラの足! デカい、デカすぎる! そしてついにその全貌を表すゴジラの圧倒的なビジュアルに、僕は文字通り、誇張なくホントに口アングリ。もう笑うしかないな、と乾いた息笑いを漏らすばかりでした。5億点!

・怪獣をおびき寄せる餌としての原爆を山岳列車にて移送中の米軍が、谷にかかる、レールと枕木以外特に何もないような橋でムートーに遭遇。レールに鼻面を接近させながら、橋の下を進むムートーと、ただただ身を潜めて隠れるしか無い人間。この大きさの対比が素晴らしい。誰です、外国人が怪獣映画撮れないなんて言ったのは!

・Halo降下シーンの出撃前の緊張感、飛び立つ前の男たちの背中! 絵になる! そして降下シーンになると、カメラがFPSのごとく一人称視点になるのですが、いよいよ地上に到達寸前、猛然とバトルを繰り広げる三怪獣のすぐそばを落ちていくという、史上最大の砂かぶり席な視点を体験できます。これも新しい!『ゴジラ』がFPSのような視点でゲーム化されたら、絶対入れてほしい絵!

・Haloで降下した米軍チームが、チャイナタウンでゴジラとムートーに挟まれる形になるシーン(あ、両怪獣は人間ごとき全く目に入っておりませぬw) 咆哮するムートーに対して、吠え返すゴジラ!ああ、オリジナルゴジラよりも咆哮が長い! そして通りに橋渡し状に吊るされた提灯が、咆哮の風圧で大きく吹き飛ばされそうになり、そしていよいよかかるテンションに耐えられなくなった吊るし縄がブチ切れるという、ゴジラの強大さが良く表現される、これも「溜め」が効果的なシーン!


 その他まだまだあるのですが、とりあえずこの辺で。

 


 いやいやいや、怪獣映画として、そしてゴジラ映画としてのビジュアルや物語がここまで仕上がっているものとは。僕の個人的な「体験」とも相まって、特別な一本になりそうな気がします。『パシフィック・リム』を見た時と同じく、胸一杯の「ありがとう」を、焦らしの名人・ギャレス監督と制作に関わった全ての皆様へ!

2013年見た映画

 新年あけましておめでとうございます。

 

 さて、昨年、自分は「劇場で50本(約1周間に1本の割合)、映画を見よう。」と目標を立てました。果たして作品数にして68本、劇場で見た回数73回、ネット配信で見た回数1回となり、目標は達成できました。

 それらについて、自分の記録も兼ねて、2013年に見た映画のランキングと寸評をつけてみようと思い、本日記を書いた次第です。

  映画館で見たから、本数を見たから偉いという訳でもないし、俺のランキングが絶対だとか、そういうものではない、という上でのランキングです。また、この ランキングは、劇場で見たその日に「大体こんな感じかな。」というくらいの気軽さでつけているので、いざ今作品を見返すとランキング順位が上下したりするやもしれません。その程度の、にわか者がつけた大雑把なランキングであるという事をご承知くださいませ。

 因みに、複数回劇場で見た作品は、記録の為にタイトルに鑑賞回数を入れてあります。また、寸評中にはネタバレも含まれますので、ご了承ください。

 

 

 

1位:パシフィック・リム 5回

 好きすぎてもうこの1位は譲れないといった感じですね。殿堂入りの一本。ただただ、デル・トロ監督ありがとう! という気持ちで一杯。

 

2位:ゼロ・グラビティ 2回

 宇宙の苛酷さと孤独を抜群に描いたジェットコースタームービーながらも、高らかに人間への賛歌を奏でた傑作だと想います。生きるという事はシンドい事の連続だけど、進め!(要約)というテーマは、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』大好きっ子としてはビンビン来ますねぇ。辛い事があってもこの映画の事を思い出そう!

 

3位:テッド

  所謂「ボンクラもの」も大好きなのです。数年前に、オタク友達と色々あって袂を分かった僕としては、ジョンとテッドにシンパシー感じまくってしまったなぁ。ジョンの子供時代の部屋に、『レイダース/失われたアーク』のポスターが貼ってあるんだけど、テッドがキチガイ親子の元から脱出する時にインディ・ ジョーンズのテーマをアレンジしたBGMがかかってたりとか、きっと二人並んで インディ・ジョーンズシリーズ見てたんだぜ、なんてついつい想像しちゃうんですよね。エグいエロネタだけじゃなくて、そういう愛のある小ネタも嬉しいんだよなぁ。


4位:ゼロ・ダーク・サーティ

 宇多丸さんが「忠臣蔵もの」として本作品を評したのは巧いと思いましたが、やはりその耐えて耐えて耐え忍んで、事を果たす感はいいよね。そしてその、事を果たしたあとの主人公・マヤの表情…! あとミリタリー好きとしては、クライマックスの潜入シーンは見応え抜群で、何度でも見返したい「討ち入り」シーンです。

 

5位:きっと、うまくいく

 新しい事は何もやっていないのだけれど、素晴らしい構成・脚本と役者陣の熱演で3時間を見せきってしまう作品。インド恐るべし! また、最後のオチ、主題歌、そして美しい大空と、2013年で最もエンディングが気持ちのいい作品でした。

 

6位:かぐや姫の物語

  こんな作品が作られた事自体が奇跡のような作品。アニメーションって凄ぇ! って唸り続ける120分。作品クオリティだけでなく、社会における女性(観)の お話としてもとても面白い。「あまりにも知られすぎている」「お伽話」故に、未見の人からは舐められているような気がしてならないのですが、「アニメ」と いうジャンルが好きな人なら、この作品を劇場で見るという行為はもはや使命ですよ。

 

7位:クロニクル

 POVものとしてはだいぶ変型ながらも、超能力という理由づけがあるからOKにできちゃうアイディア。勿論アイディアだけじゃなくて、青春ドラマとしてもとても優れた作品です。100分未満のコンパクトにまとまってる所も○

 

8位:マン・オブ・スティール

  カル=エルとゾット将軍の一対一で『アベンジャーズ』超えの大破壊を見せてうひょおおお! とテンションあがりまくった作品。よく言われてますが『ドラゴンボール』を実写化したような超人戦闘描写! そして流石ザック・スナイダー、パッパッと、漫画の決めゴマのような格好いいカットが入るのだよね。僕はこの作品、大好きです!

 

9位:劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語 2回

  クラックラするような犬カレー美術で繰り広げられる、これまた『アベンジャーズ』な大サービスの一大決戦、そしてBGMは『misterioso』!  完璧! でも個人的にはそのアベンジャーズ決戦以降、ほむら悪魔化のくだりは蛇足だと思います。とはいえ、続きは見ちゃうんだよなぁ…… 次はもう綺麗に終わらせて、魔法少女たちを休ませてあげてください、というのが僕の願いですよ……

 

10位:ラストスタンド

  『ターミネーター3』は僕キライなのですけれど、脚本がどうとか以前に、老いを隠し切れないシュワちゃんが、昔のままに無敵の殺人機械を演じているというギャップが辛くて辛くてしょうがないからなんですよ。本作はその老いを認めた上でアクションに帰って来てくれたのが良いんですよ! 事を成したシュワちゃんに、ウィテカーが「ここまでやるとは思ってなかったよ。」と言う台詞がありますが、これは本作を見てる僕たちの気持ちそのものであり、それを受けたシュワちゃんが 「ここが俺のホームだからな。」と返したのは、役の上では管轄を守り切った保安官の誇りが漏らした一言ですが、その実、役者・シュワルツェネッガーとしてのビッグカムバック宣言でもある訳ですよ! シュワちゃん、お帰り!


11位:アイアンマン3

  「アイアンマン」の活躍を描くというよりは、「トニー・スターク」一人の男のお話だったなぁという印象。物足りない、という人もいるかもしれませんけれど、これまでに作り上げられたトニーというキャラを好いてしまった僕には、いいけじめの一本でした。アイアンマン大集合もあったので、個人的には物足りなさは無いです(ってか予告でバラさないで欲しかったなー!w)。


12位:エンド・オブ・ホワイトハウス

 2013年、このホワイトハウス占領シーンが凄いナンバー1映画(なんのこっちゃ)。本当、あの十数分だけで完全にやられてしまいました。あれはもっと評価されていい、一大シーンだと思います。

 

13位:地獄でなぜ悪い

  園子温監督というと社会派映画のイメージがあったのですが、どうしてどうして。最高にイカした娯楽作でした! 日本でこんなの作れるんだなぁ、嬉しい! また作中に出てくるような、若干場末感の漂う、老オーナー(作品と同じく、このお爺さんが映写機を動かすんだ!)が営む名画座的な劇場で見れたのも、いい体験だったなぁと。


14位:ジャンゴ 繋がれざる者

 やってくれたぜタ ランティーノ! セリフ回し、絵作り、音楽、格好いいねぇ! タランティーノというと、趣味に走ったスキモノ御用達監督、なんてイメージだったけれど、趣味に走りながらもちゃんとしっかりした社会的なテーマものっけて、それでいてザ・娯楽な作品を作れる凄ぇ監督にいつの間にかなっちゃってたよ、ひょぇ~!

 

15位:ジャッジ・ドレッド

  今回のドレッドは強いし、容赦ないし、メット脱がないし、「俺が法律だ」も「裁きの時間だ!」も決めてくれるし最高だった。「これにて閉廷!」が無かった のだけはちょっと残念w ロウギバーはアニメ『PSYCHO-PASS』のハイテク銃・ドミネーターの元ネタだと思うんだけど、本作は偶然ながらも色んな点が『PSYCHO-PASS』と類似しててニヤリ。『PSYCHO-PASS』好きに進める映画三本を選ぶなら、本作と、『ヒート』、『羊たちの沈黙』 をチョイスします。

 

16位:華麗なるギャツビー

 ギャツビー登場シーン の、ディカプリオのあの極上の笑顔。あの笑顔だけでも、この映画の価値があるってもんです。ジャンゴの時ももそうでしたが、ディカプリオはどこか稚気が抜けぬ、見ていてハラハラする青年を演じさせたら世界一ですね。ジョーダン・ベイカー役のエリザベス・デビッキも素敵でした。

 

17位:ワイルド・スピード EURO MISSION

 理屈はいらねぇ、ワイルドに駆け抜けろ! シリーズ最高スケール、最高傑作ですよね! そしてポール・ウォーカー亡き今、ファミリーが結束を確かめるあのエンディングの切なさといったらありません。


18位:シュガー・ラッシュ

  ゲーム者(もの)には堪らない映画でした(『ポン』のパドルまで出演してやがんのw) ディズニーらしい成長譚ながらも、やがてゲーム文化への賛歌ともと れるエンディングに集束していく物語に、制作スタッフの「わかってらっしゃる」感を見た! 同時上映の『紙ひこうき』も傑作です。モデリングCGと手描き の融合っぷり!

 

19位:キャプテン・フィリップス

 クライマックスのトム・ハンクスの迫真の演技は一見の価値あり。初見は字幕版で見たい所です。ミリタリー的にも見応えありますが、単なるアメリカ礼賛になってないのは評価したい所。

 

20位:エンド・オブ・ウォッチ

  POVものなんですが、たまーに「これ第三者が撮ってるよなぁ?」としか思えないシーンがちょいちょい(ベッドシーンとかw)。でも、カメラの視点に囚われすぎない事で、こちらを作品に没入させやすくしてるなぁと。ドンパチや火事シーンの迫力! そしてそれらと対照的に、抑制の利いたラスト近くのシーン。なんと染み入る事か。


21位:42 世界を変えた男

 正しい伝記映画というか、あざとくなく感動をさそってくれる丁寧な作りに好感が持てます。ジャッキーが駅でボールを渡すシーンの“オチ”は想像つきましたが、それでもやっぱりグッと来ますよね。


22位:96時間リベンジ

  明らかにジェダイマスターの時より強いだろニーソンシリーズ。前作と違いを出す為に手を変え品を変え、犯行グループの拉致っぷりとニーソンの反撃っぷりを見せてくれます。こういうのでいいんだよこういうので、と言いたい所ですが、流石に計画されている?続編はもういいでしょうw


23位:劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

 TVシリーズの総集編かつ、その後を描くお話。当初の予定通り、総集編だけの作品だったらと思うとややぞっとしますが、ファンが見たかった&納得のいく、愛すべきキャラたちをより深めるような新作パートを見せてくれました。ありがとう!

 

24位:タイガー 伝説のスパイ

  スパイもののスリリングさは勿論、インド映画らしくコメディタッチあり、ロミジュリなラブロマンスあり、ジェイソン・ボーンシリーズのようなアクションありの娯楽作……ながらも、対立するインドとパキスタンの問題も織り込んでいく幕の内弁当。両国へ向けた平和への祈りを自然にお話に絡めたスタッフの心意気に、 なんだかジーンともしちゃって。あとヒロインのカトリーナ・カイフがなんともエロかったですw

 

25位:スター・トレック イントゥ・ダークネス

  SF描写も、アクションも、スタトレ要素も、全部のせでしっかり入って、1と同じく良い意味でまとまり、エイブラムスの「まとめ力」にシャッポを脱ぎました。うん、『スター・ウォーズ』のep.7~9作れるのこの人しかいないわ。

 

26位:G.I.ジョー バック2リベンジ

  中学生の思いつきみたいなシーンがドンドカ押し寄せてくる偏差値の低さ! とはいえ盛り上げ方はきちんと手順踏んでてちゃんと乗れる! 『バトルシップ』テイストだなー。1程ではないけれど、やっぱりCGシーンが弱い所がまだちょいちょいあるのは残念。


27位:グランド・イリュージョン

  中野貴雄氏が、本作を「ルパン三世」に例えていたけど、まさに。イリュージョニストがそれぞれの持ち味を使って、観客注視の中大犯罪を行う! 追うはFBIのやインターポールの腕っこきに、手品のトリック暴露を飯の種にしているジジイと、面白いメンツが揃ったもんです(キャストも結構豪華)。ルパンとは違い、チーム「フォーホースメン」の面々は皆イリュージョニストなので、盗みの手口や、警察とのやり取りには常にトリックで対応。大仕掛けの犯罪イリュージョンがなんとも楽しい娯楽作でした。


28位:ワールド・ウォーZ

 原作通りじゃない、との声もあるけれど、そりゃアレを2時間でまとめるのは無理だべ。 むしろゾンビ映画をこれだけのビッグバジェットで作って、派手な絵で魅せつけてくれたのは偉業でしょう。『かぐや姫の物語』じゃないけれど、こんな規模のゾンビ映画はもう見られないかもよ。デキる男(時々ドジっ子)・ブラピの機転も良し。皆でペプシ飲みながら見ましょう。

 

29位:バレット

 『デッドフォール』や 『デモリションマン』なんかの気軽に見られまっせアクション娯楽作。『エクスペンダブルス』のようなリッチ感は無いけど、こういうのも好き。こだわりの無いストーリー、景気良く人が死んで、無駄におっぱいが出て、とかく良い「B級」映画でした。若い頃からの殺し屋稼業を営むスタローンが、警察に捕まる度に撮られた顔写真に、ちゃんとスライの若い頃の写真を加工したものが使われているので、「あ、これあの映画の頃のだ」とかなんとなく判って楽しいw スライに対するジェイソン・モモア(リブート版コナン)の狂った蛮勇ぶりも良し。


30位:オブリビオン

 他のSF映画に影響を受けたようなシーン・見せ方がチラホラ見受けられた、SF作品ミキシング映画。とはいえパクリというのではなく、荒廃した世界・廃墟や、SF的なガジェット・建造物はそれまでのSF映像作品の蓄積をさらに進化させた感があってお見事。VTOL小型飛行機は機能的であり、美しくもあり、動きも面白い。ママー僕もあれ乗りたーい! でもまぁ、オチは「えっ、お前それで納得するんかい!」とは思いましたw


31位:ホワイトハウス・ダウン

 エンド・オブ・ホワイトハウス』とどうしても比較してしまいますね。同じダイ・ハードものとはいえ、こちらの方が話の作りは古典的、鉄板な感じかな? コメディ要素もちょいちょい(庭をリムジン爆走最高!)。リアリティはエンド・オブ~の方に軍配が上がりそうですが、景気のいい爆破はこっちの方がありますね。


32位:エリジウム

 『第9地区』よりもさらに、細部の描写が細かくて見てて楽しい映画でした。今あるものが未来ではこうなっているのだろう、というプロップの、よくわからんがなんかいじってれば使えそうなあの感じ! お話自体はなんだか小さく纏まってるなぁという感。 「よく出来てる」のだけれど、大きく爆発するカタルシスが無かったかと。連続ドラマくらいの尺があればあるいは、思いました。


33位:キャリー

 舞台が現代だったり、キャリーの自分の能力への認識や暴走後の心理などがちょいちょい違うので、その辺は比較して楽しめるのですが、デ・パルマ版のキャリー役、シシー・スペイセクのような、圧倒的な幸薄げ感はクロエちゃんには無いのよね。クロエもキモい人演技してて、それはちゃんと果たしてるけど、クロエは(ファンの僕から見たら余計に)普通に可愛いもの。あとオチにも絡んでくるあるキャラの扱いが割と雑な気がしますが、まぁクロエちゃんのアイドル映画だと思えば(ファミ通クロスレビューの「ファンなら」的〆)


34位:ウルヴァリン:SAMURAI

 登場ミュータントは少ないけれど、その代わりに忍者やヤクザがジッサイ強い! 40半ばなのに、今まで以上に体を作っているジャックマンの節制ぶりには頭が下がります。ラストはファーストジェネレーションからファイナルデシジョンまでを繋げ、かつ次作への予告となるもので、サーガの広がりを感じましたが、あれファースト~とファイナル~を並び立たせるのは矛盾が……


35位:風立ちぬ

 実在の人物をモデルにした架空の人物の伝記的な作品。夢をどこまでも追求する(例えその夢の裏で泣いてる人がいても)二郎は、宮崎駿監督自身なのかと思わず推察してしまう人も多いのでは? 若ぇもんへの監督なりのエールというか、説教というか、遺言というか。宮崎監督が長編を作成するのはこれで最後との事ですが、その最後まで業が深いなぁと。


36位:ローン・レンジャー

 終盤まで60点くらいの点数でダラダラきちゃうのがしんどいですが、終盤20分のテンションが、それを帳消しにするくらいにやたら高かった! 景気のいいウィリアム・テル序曲をBGMに、若干、いや結構おバカっぽくもある乱痴気バトルがドッカンバッコン来るので、これは嫌いになれないな、とw


37位:リンカーン

 奴隷解放の為の憲法改正を巡っての政争劇。絵的には当時の風俗文化も相まって地味目なんだけど、ドラマが面白く、退屈は感じませんでした。ちょいちょいリンカーンが挟む小話も印象的。字幕版で見たのですが、読ませる長台詞が多いので目をどうしてもそちらにやらざるをえず、映像を味わいきれませんでした。これは吹替版推奨かも。


38位:インポッシブル

 文字通り襲い来る津波のスペクタクルシーンは、東日本大震災による津波の直接の体験者でない僕も息を飲みました。生々しい描写は続き、主人公の家族に好機が訪れようとも、周りにはもっと不幸な人もいるよという事をちゃんと写し続けて、単なる都合のいい美談に仕立てていません。震災後はディザスター映画が自粛される事もありましたが、このような映画が上映できるようになったというのは、配給会社さんなどの英断、尽力があったからだと思います。関係者の方々に敬意を表したいです。また、3人の子供たち、特に長男役のトム・ホランドくんの演技が素晴らしかった。彼が主演と言っても差し支えないのではないかしら。喜怒哀、渾身の演技だったなぁ。


39位:AURA ~魔龍院光牙最後の闘い~

 田中ロミオ作品らしく、辛辣な描写がビシバシ。「オタク」「中2病」を題材にしたアニメ作品も増えましたけど、商業的な理由からも、やっぱりそれらを肯定する話になりがちですよね。一郎が良子に雨の中叫ぶシーンみたいな「えぐる」台詞はなかなかでてこない。しかしラストまで見終えると、そういう辛辣な描写込みで、これは作中に見られるような、社会と折り合いをつけにくい若者へのエールだと、なんとも優しい作品だと感じられました。このアプローチは評価したいですね。


40位:闇の帝王DON ベルリン強奪作戦

 良い意味でインド映画らしくないクライムハードアクションに仕上がっててビックリ。でも主役・ドンのキャラ立ち、匂い立つ色気や、ヒロイン・ロマの艶っぽさ。そしてお決まりのダンスシーンなどは間違いなくインドテイストであり、折衷のバランス感の良さに唸ります。ピカレスクヒーロー・ドンをどう魅力的に描くかに腐心してるのがよく伝わってきます。「ドンは決して捕まらない。」「誰もオレを止められない」「敵がやっと動き出す頃に、ドンは次の手を打っている」などの、明日からでも使いたいドン語録…!


41位:アウトロー

 アクションだと思ってたら結構地味目でサスペンスより。とはいえ、主人公のキャラは面白く退屈せず。元軍人設定なのでそれっぽいCQCアクションもあり、銃描写も凝ってる。途中の台詞無しの、緊迫するカーチェイスシーンもなかなかの出来(そのオチも秀逸)、またラストも“アウトロー”らしい落とし前の付け方でよろしかったです。


42位:グランド・マスター

 激動の時代を生き抜いた、中国武術各流派の達人たちの生き様を描いた作品。様々の流派の動きは勿論流派に則った動きなのは勿論、同門でも拳風の違い(その理由もある!)があって、『拳児』世代には嬉しい。武術とは?と問われたイップ・マンが答えた「縦か横か」をまさに見届け続けた130分でした。ただ当時の風俗に合わせた?暗めのライティングで、折角のアクションシーンが見難いのは難点。


43位:L.A.ギャングストーリー

 『アンタッチャブル』風味なクライムアクション。やはりスペシャリストたちを揃えるメンバー集めのシーンは良い…… カチコミシーンは言わずもがなですが、その前に、舞台のパークサイドホテルをバックに、ズラリギャング対策部隊が並ぶアオリのシーンが異様に格好いい。


44位:逃走車

 ポール・ウォーカーのカーアクションサスペンス。こちらは95分というコンパクトな尺に、車の中のからのみのカメラ視点というワンアイディアを引っさげて文字通り駆け抜けた佳作。あのヨハネスブルグが舞台で、おっかねぇ事この上ないのですが、主人公が覚悟を決めた時の「男」の顔がたまんないですね(強盗犯もビビる!街のブラザーも認める!) 


45位:藁の楯

 守る価値のないものを守るべきか否かという振り子のような迷いをどんどん突きつけ、惹きつける手腕に唸る。『地獄でなぜ悪い』と同じく、邦画らしからぬシチュエーション、絵が出てくるのは嬉しいけれど、日本だと撮影許可おりなくて台湾でロケした、という実情については、映画の評価とは関係ないけれど残念だなぁと思ったとさ。


46位:ビトレイヤー

 ガンアクションの見せ方や、バイクチェイス、そして製作総指揮をリドリー・スコットが務めた所為か、弟、故・トニースコットのフィルムのような艶っぽい、ターコイズブルーを基調にした夜のロンドン。コンパクトな尺の映画なれど、拾い物を見た、得した感がありました。

 

47位:REDリターンズ

 スーパー老人大戦2! 理屈抜きに楽しめる系映画。大概の登場人物の目の輝きがなんだかオカシイのが可笑しい。ビョンホンは登場から10秒くらいで全裸になるよ! あと、「この世で最もセクシーなのは、格好いい銃を持った女性だ。」という台詞には完全に同意。

 

48位:ゴースト・エージェント/R.I.P.D.

 何気にアメコミ映画。そのせいか楽しい画面作りに溢れていて、『ゴーストバスターズ』のようなコメディの空気があるアクション映画(階段登りのゴーストバスターズネタもあった!)。目新しさは無いけれど、カウチポテト的に気軽に見れます。ケビン・ベーコンみたいなやつが出てくるなぁと思ったらケビン・ベーコンだったのにはびっくり。もうちょい彼を活かして欲しかった気も。


49位:李小龍 マイブラザー

 実弟の視点からのリーを描いた青春物語というのは新しい。アクション少なめながらも、ボクシング大会~アヘン窟は結構頑張ってます。ドニー・イェンがよくやる、詠春百烈拳も炸裂! 怪鳥音も全開!(当時リーが出してたかどうかは知らんが、これでいいのだ!) でもアヘン窟辺りの話はかなり盛ってるよなw

 
50位:HK 変態仮面

 元々映画館で上映がかかる予定がなかったと聞く本作品。成る程、予算がなかったのだろうなぁというチープさは目に付きます(ラストバトルのあっさりさ加減!) 見ていて冗長なシーンもチラホラ。しかしながら最もキモである所の、変態仮面という特異なキャラクターを実写で再現するという事については120点満点! 主演・鈴木亮平の鍛え上げられた説得力のありすぎる肉体、原作まんまのポージングやウォーキング… よくぞここまで! また本作については、ネットで配信上映されたのを見ました。地方でなかなかかからないような作品も、このような方法で上映されるといいなぁ(コストどれだけかかるんじゃろ)。


51位:劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇跡-

 全キャラの見せ場を程良く作り、サービスに徹していましたが、100分という尺の所為もあるのでしょう、やや説明、描写不足な点が気になりました、が、見せ場削っても説明の尺は足りないだろうし、話とサービスの両立を考えると、バランス良い着地点だったのかも知れません。鉄装さんは出なかったけどw どんどんスケール上がって衛星軌道上のステーションまでいっちゃうのに、結局はいつもの要領で話を解決する上条さんマジ水戸黄門


52位:特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE

 尺が短いのはニチアサ映画の宿命ですが…その中でもよく纏まってました。ゴーバスターズとバディロイドのドラマは解決法はやや力技ですが、よいドラマだったかと。


53位:LOOPER

 楽しめましたが、要素を盛りすぎて散漫に思えました(でもそこを評価する人もいるから面白いよね)。基本設定が凄くいいよなぁ~。


54位:2ガンズ

  導入部分はめちゃめちゃ雰囲気あって最高なのだけれど、結構中だるみ。クライマックスのよつどもえの戦いも、『ローン・レンジャー』ばりの超ドタバタ乱戦ハイテンションバトルになると思いきや、あっさりめに終了。ポスターで使われてる、金の雨が降ってるあのビジュアルに勝てるシーンが無いのはちょっと。


55位:47RONIN

  意外すぎる程に日本を、忠臣蔵をリスペクトしてくれて嬉しい。オリエンタルジャパーンも大好きなので舞台設定も◎。ただ、討ち入り等のアクションシーンが案外あっさりしている。もっともっとそこを見たいんですよ! これ以上尺を伸ばせないってのも判るのだけれど… とはいえ酷評されて事が多い作品だけれど、もっと娯楽アクション要素を上手く盛り込んでくれたら、深作里見八犬伝みたいな娯楽ファンタジー時代劇の定番になってたんではなかろうか。惜しい!


56位:マラヴィータ

 製作総指揮を務めるスコセッシの作品ネタもちょいちょい入ってクスリとするのですが、もっと膨らませて欲しいところはこれまた、突き抜けないんですよねぇ。もっとマフィア家族にクライムな活躍させようよ!  これまた惜しい。


57位:009ノ1

 所謂特撮作品を、やや大人向けな感じで作りましたという坂本監督イズム溢れる作品。良くも悪くもそういう感じです。


58位:ライジング・ドラゴン

  『サイクロンZ』を思わせるような、工場でのアイディア溢れる面白バトルは「これこれ!」と思わせてくれますが、映画作品の出来としては、全然ブラッシュアップできるような気がします。キライになれない作品なんだけど脇が甘いんだよなぁ… ジャッキーのアクション引退作と銘打ってあったのに、またポリスストーリー作るとの報が入ってきたのもなんだかなぁと。


59位:劇場版 Steins;Gate 負荷領域のデジャヴ

  よくアニメや漫画である「ある人が突然姿を消し、皆も私もその人についての記憶を忘れている。しかし私だけが感じるこの既視感はなんだろう。涙が溢れて止まらない」的なデジャヴ感について、実にシュタゲらしい理屈をつけてアプローチするのは上手いと思いました。が、89分にまとめるには明らかに尺足らず。相当に観客が「ここはこういう事であろうな」と類推せねばならない。これではどう盛り上げようと興ざめになってしまうのは残念な所。紅莉栖が泣くシーン、感情のコントロールが効かなくなってかなりブサイクにおいおい泣いてたのは良かった。ミンゴスさんナイスであります。


60位:アフター・アース

  執拗に挿入されるトラウマが、物語を経て、ラストで解消される心理描写は良かったのですが、その哲学的とも言える心理描写が、アクションシーンにちょいちょい入ってくるので、盛り上がりを阻害しているようにも感じました。よし、アクション盛り上がってきたぞという所でそれは収束し、心理描写に入る。テーマを伝えたいのもわかるけれども、もっと素直に凶暴なる惑星を味あわせて欲しかったなぁ。いちいちジェイデンくんを殺しにかかるクリーチャー郡が素晴らしかっただけに残念。


61位:プリキュアオールスターズ NS2 こころのともだち

  東映のヒーロー大集合系の映画は「とりあえずキャラ出せ」「見栄えのいい絵を作れ」という事が優先されており、お話は破綻してますよね。言ってしまえば志が低い。その点プリキュアは、伝えたいテーマも盛り込み、登場キャラを絞っても、その中でファンならグッとくるようなサービスにも努め、ベストよりベターの落としどころを探ってまとめているなぁと 感じました。そのバランス取りにも注力せにゃならんが故、纏まってるなぁ以上のものがなかなか見えてこないというのが難しい所です。うーむ。エンディング のオールスターダンスの多幸感はパないすなぁ。


62位:スーパーヒーロー大戦Z

  今回ようやっと、悪い意味で「お祭り感」という言葉に逃げていた今までのヒーロー集合ものからは、ある程度脱却できたのかなとは思いますが……苦渋の決断とはいえ、銀河連邦警察、というかギャバンに地球を犠牲にするような手段を取らせようとしたらアカンよ。


63位:フライト

 ヒューマンドラマとしては悪くないのだけれど、予告等でフライトパニックムービーを期待した自分としてはずいぶんズッコケた記憶があります。そうだよなぁ、パニック映画だったらクライマックス(に当たるであろう)背面飛行のシーンは予告で見せないよなぁ。


64位:劇場版 仮面ライダーウィザード/劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー

 キョウリュウジャーは例のごとく30分しかないので仕方ないといえば仕方ないのだけれど、どちらも詰め込みすぎ。ウィザードでマヤ大王を演じた陣内孝則氏は、大仰な演技が役にハマってた。


65位:オズ はじまりの戦い

 「オズの魔法使い」の前日譚。王道的な作りですがやや単調に感じました。冒頭の現実世界はモノクロ映画になっているのですが、オズの世界にいった途端、世界が鮮やかに彩られ、カラー映画になったのには効果的で良かったです。


66位:レッド・ライト

 一発オチ! 以上!

 

 …あ、キリアン・マーフィーの演技は素晴らしかったです。この人もっと映画でて欲しいなぁ。


67位:プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

 ライアン・ゴズリング編以降が退屈に感じてしまって… ただ、宇多丸さんの解釈を聞いてやや本作の株あがりました。それならあのエンディングも判る。オープニングのゴズリングを追いかけるショットや、これまたゴズリングを警察が追いかけるショットは好き。


68位:ゴーストライダー2

  ニコラス・ケイジの怪演部分は楽しいのだけれど、お話のチープさ(前作より低予算感バリバリだし……)にノックダウン。クリストファー・ランバートの無駄遣いぶりも勿体無い。黒人さんはイキイキしてたなーと思ったら、『パシフィック・リム』ペントコスト司令官役のイドリス・エルバだったというオチがw

 

 

 

 以上68作品のランキングでした。あー、全部に寸評つけるの疲れた!w 今書いてるうちにも順位を上げ下げしたいものもあるけどまぁ、これでいくのです!

 今年もお金と時間が許す程度には、バリバリ映画を見たいなぁ。

まどマギ新編二回目見た後に思ったこと

ネタバレあります。

まどマギ新編二回目見た後に思ったことなどをつらつらと。

前回書いた感想の補足的な?

そんなに大したことは書いてないのであしからず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・魔法少女4人の変身シーンの凝りよう、CGが無かった時代の特撮映像みたいなマインドを感じるよね。ギャバンなんかで、ちょっとひと工夫の映像マジックを入れて、画面に変化・面白みを演出しようとしてたあの頃の感じ。

 

・「♪ケーキ、ケーキ、まぁるいケーキ」のくだりは、ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテットによるフェイタリティbyモータルコンバットに見えてしょうがなくなってしまったw 演出なげーよ!って言われる系の究極神拳。

 

・ほむらが「これでよかったんだっけ…?」と疑い出して、同級生なんかの顔がおかしくなる教室のシーン。最初にほむらが見える所、白版から文字がはみ出して見えたのだけれど、気のせいかしら?

 

 

 

・前も伏せ字でつぶやいたけど、パンフレットの虚淵玄さんインタビューによると、虚淵さんの当初の構想では、「まどかにほむらが連れられて行く」(円環の理に導かれる)という結末だったのだけれど、プロデューサーの岩上さん、総監督の新房さんの「このあと続いていく物語にしたい」という意向を受けて、この結末になったとの事。商業的に大成功した作品ですし、続編を続けたいという理屈も判るのですが……

 このたまごまごさんの記事

http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20131108/E1383842723785.html?_p=3

から引用しますと

 

●終わらないことの幸せと残虐
この話の構造、別のエンディングがある可能性が匂ってきました。ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、これはトゥルーエンドの一つ、と聞いてなるほどなと感心したものです。
となると、終わんないんじゃないの?と。本編が二次創作に対してあえてその余地を残した。
ここで「やったー」となるか「えー」となるかでまた温度差が生じます。

ぼくは「終わらない」ことに幸せを感じました。それってキュゥべえ目線なんです。
少女を都合のいい客体に変えてしまい、いつまでも少女な彼女らを眺めている。
何もかも終わって葬ったほうが幸せかもしれないのに。でもニヤリ……という気持ち。

 

 

とあります。

トゥルーエンドのひとつ、というと(個人的にはトゥルーエンドはひとつだろ!とは思うのですが)、なる程今風。脚本家の上江洲誠さんは「今は明確に終わらせる結末は視聴者に好まれない」という旨の発言をしていた事を思い出します。愛すべき、愛したキャラとの別れを匂わせて欲しくない。また、商業的な視点で見れば、採算の合う余地があれば、短いクールで終わらせるには勿体ない。続編を作ってのひと商売も出来る、との計算もあるでしょう。

 

それでも。

 

「視聴者に好まれない」。なる程、終わり無き放課後をずっと見ていたい、そんな気持ちは僕にもあります。しかしこのまどマギの魔法少女たちはもう充分働いた。もう充分傷ついた。もう充分絶望した…… これが頃合、もう休ませてあげてもいいんじゃないでしょうか?

TVシリーズ~本作で充分働いた魔法少女たちの屍に鞭打ち、まだまだ働かせようというのは、なる程キュウべぇ目線。たまごまごさんは流石、いつもキレのいい例えをなさいます。

 

またね、本作で、まどかがほむらを連れて行くまでの流れ、これもたまごまごさんが仰るように、シリーズ初見の人にはなんのこっちゃだろうけれど、ずっとキャラクターを追いかけてきた人には抜群に盛り上がるように構築されてるんだよね(故に、ほむらの悪魔化が最大に効いてくる)。あれだけ盛り上げて、あれだけ綺麗に終わらせられる所まで持って行けていたからこそ、尚の事口惜しいんだよなぁ。あそこがもっと下手に作ってくれていたなら、こんなに口惜しくないっすよ(悔しいけど褒めてるのよw)

 

どうせ続けるなら、キャラ総取っ替えして新キャラ虐めましょうよってw

 

個人的には、100分くらい?までのまどかがほむらを導くまでは素晴らしい出来。残りは蛇足な気がします(今後も続くものなのだ、と受け入れて評価するならば全くの蛇足とは思いませんが)。つまり物語としての面白さは認めるけれど、キャラについつい寄り添ってしまう自分としては、この結末を認める訳にはいかんというかw

うん、これもTVシリーズでキャラクターをちゃんと魅力的に描いてくれたから故なのだ。思い入れがなければなぁ、あの結末にそんなにアレルギーも無いと思う。

 

 

まぁ続編はそのうち、何がしかの形で放映・上映されるでしょう。今度こそ、5人を成仏(でいいのか?w)させてやってくださいよ。お願いしますよ。3度目の正直、これ以上の墓暴きは無い事を祈ろう。

 

【今日見た映画】劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

注意:ネタバレあります。

   

   周りに話せる人がいないので

   思った事をとにかく吐き出したくて書きました。

   特別な考察などは特にありません、あしからず。

   なるべく起承転結に気をつけてというか、文章として読みやすく書いたつもりですが

   ぐだぐだと書き散らしてしまいました。

 

 

 

 

【今日見た映画】

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

演:悠木碧斎藤千和

監:新房昭之(総監督)、宮本幸裕

 

 TVシリーズのその後を描く続編。僕はTVシリーズの終わり方が好きで、綺麗にオチたあのENDを見てしまったら、もう彼女たちをそっとしておいてあげたい、僕の心の小箱にしまっておきたいと、なんだかそう思えてしまう作品に僕の中ではなってしまっているのです。(故にTVシリーズは初見以降全く見返しておらず、劇場版前後編を見たくらい) ですから、「墓暴き」になるような事はして欲しくないなぁ、という気持ちがあったのは確かです。とはいえ、面白かった。

 

 TVシリーズ後のお話という事で、最後に残ったほむらがメインになるお話であろうというか、そうせざるをえないだろう、そしてそこを掘り下げるのならば、おそらくは彼女は魔女化してしまうのだろうと予想は立てていました。

 

 アバンタイトルでは、家族と朝を過ごす、幸せなまどかの姿が描かれます。キュウべぇが出てくるのがなんだかアヤシゲですが、今の所邪悪さは覗かせず。しかし、TVシリーズ後の話であれば、これは絶対にありえない情景なのです。一人ぼっちになったほむらの妄想? 願望?

 

 そしてOP。賑やかで楽しげな魔法少女4人の日常風景ですが、そこに描かれている少女は4人、ほむらの姿はない…… やはりこれは現実ではないのか…? と思ったらほむら登場。しかしどうにも絶望感が漂う様子で、そんなほむらが見えていないかのように変身して舞う4人とはなんとも対照的。最後にやっとまどかがほむらに手を伸ばし、その手をほむらが握ろうとするも、砂のようにもろくも崩れて消えるまどか達。 ……いや、これには背筋が冷えました。やっぱりこれは、ほむらが大変な事になる作品なのだ!! そうなるともう、しばらく続く魔法少女達の日常と、所謂「魔法少女もの」の範疇の悲壮感の無い戦いも、もう安心しては見れないよね。

 

 話は進み、やはりこの世界はほむらが作り上げた架空の世界であり、彼女はもはや魔女化する寸前だという事が明かされます。そこにインキュベーターの企みが加わって……。街から出られない謎の結界や、メインキャラの想いが作った、記憶も改竄されてしまう閉じた世界というのは『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を想起した、という方のつぶやきがTwitterのTLで散見されましたが、さもありなん。

 

 この後のバトルは圧巻です。魔法少女総登場、惜しみの無い見せ場の連続に、Kalafinaさんの『misterioso』が場を盛り上げまくる! 『アベンジャーズ』のクライマックスバトル並みのカタルシス! 万感の想いがこみ上げて泣けてきた。アメリカだったら立ち上がって「イヤッホオオオウ!」って拍手してた!

 

 で、ここで充分お話として終わらせられるんだけど…… インキュベーターが円環システムを解析し、まどかを利用しようとしていた事を知り、そしてまどかの花畑での「本当は怖い」という告白で、彼女の本心(?)を知ったほむらは、円環システムからまどかを切り離し、その力を取り込んだ? そしてついには世界の改変をも始め、都合の良い世界を構築してしまう……

 

 このほむら、「構図」だけ見ると『少女革命ウテナ』の鳳暁生に近いと思うんですよ。劇場版のアドゥレセンス黙示録から引用しますが、

 

鳳暁生「そうだよ、お前の王子様だ。怖がらなくても大丈夫だ。さぁ僕と一緒に帰ろう。 生きながら死んでいられる、あの閉じた世界へ。」

アンシー「かわいそうに。あなたはあの世界でしか王子様でいられないのね。でも、私は、ウテナは出るわ、外の世界へ。」

鳳暁生「よせ、どうせお前達が行き着くのは世界の果てだ。」

アンシー「そうかもしれない。でも、自分達の意思でそこに行けるんだわ。さようなら、私の王子様。」

鳳暁生「そうか、残念だな。だが、お前達には、やはりあの世界でお姫様を続けてもらうよ。なに、生きながら死んでいればいいだけのことさ。」

 

 まさに暁生の言ったような、自らが構築した「閉じた世界(ラストでは象徴的に、窓=外に続く象徴?を、まどかとほむらのキーアイテムたるリボンで封印してしまう…)」に篭ってしまったんですね、悪魔になったほむらは。上記のやりとりを経て、ついには「世界」から外に飛び出したウテナとアンシーに、思春期(アドゥレセンス)の僕は大いに力を貰ったものです。ですから、この「構図」にはつい異義を唱えたくなる。(えっ、今の自分はどうなんだって? 耳が痛い。閑話休題。) それにこれでは、TV版の気高かったあの終わり方やほむらの否定に近いではないか!

 

 だけども、ほむらがTVシリーズ後に残された世界は、詳しくは描かれていませんが、もう何もかも滅んでしまったような世界にも見える(よね、確か。劇場版含めて2回しか見てないので曖昧ですが)訳で、最後の魔法少女として残されたほむらの心中たるや如何程のものかと。そりゃ狂いもするし魔女にも、そして悪魔にも成り果ててしまうよなぁと、彼女の思いにも同情してしまうのです。

 

 なので、最終的なその構図・構造には異義を申し立てたいし、TVシリーズ好きとしてはなんとも後味が悪すぎるのだけれど、ほむらの事を思うと、しょうがないかな、とも思ってしまうのです。なんたるもやもや。後からじわじわ来る作品。

 

 新房総監督は、「僕は算数のように決まった答えが出るものよりも、人それぞれの意見が出る国語のようなものが好き。」という旨を、インタビューで仰って はいましたが……。 それにしてもエンターテイメントとしては、魔女ほむらを倒して、ほむらが円環の理に組み込まれて、まどかやみんなと再開できてよかっ たね、なENDの方が絶対に腑に落ちるし、美しく幕を引けるし、ファンも喜ぶと思うのです(というか、すいません僕がそうなんです)。 が、なぜあえてそ の後を作ったのか。 どういった意図があったのか。こりゃ賛否両論、色んな意見が出るよなぁ。

 

 続編も作れそうな、消化不良とも思える流れで終わったのですが、どうなんですかね、続編。もうみんなをそっとしておいてやれよ、もう墓を暴くなよ、という気持ちが正直な「今」の気持ちです。

 

 やぁ、とんでもなくもやもやした終わり方でしたが、じゃあつまらなかったかというと決してそうではなく。TVシリーズを見て感じ入った人ならば必見だと言える面白さでした。まだパンフレットを入手できていないので(相当なネタバレ・解説があるみたいですね)、それを読んでから、もう一度見直してみたい作 品です。

 

 

 以下、なんかズルズルと思った事。

・まどマギはには、ラブでもライクでもピンと来るキャラがあまりいなかった(杏子は友達に欲しいかなと思った。)けれど、新編を見たら結構さやかの好感度 あがりましたね。自身でもちょっと言っていたように、経験を積んで、いい女になったのかなぁと。杏子も言わずもがな。マミさんは作中でも脆さを指摘されて ましたが、なんだかそんな部分を含めて、保護者的な暖かな目で見れたよう なw ほむらちゃんは株あがったのに悪魔化で…… まどかは変わらず(おい)

 

・さやかが魔女化したほむらに対して言った「だーかーらー、一人で抱え込もうとするなっての!」って台詞は、観客の思いを代弁してくれた台詞だと思う。好きな台詞。

 

・魔女ほむらバトルは本当、素晴らしかった。合体技や列車砲、さやかちゃんのスタンド闘法など、大サービスでしたね!

 

・アホみたいな終末話する担任の先生可愛いw TVシリーズでの出番を殆ど覚えてないんだけど、こんな人だったっけ? 高望みな方のようですが、僕で良かったら、お友達からお付き合いしませんか?!

 

・読解力が足りないのか、話や映像に圧倒されて漏らしてしまったのか、何故さやかが円感の理の元で力を得た(かばん持ち、なんて称してましたが)のかがよく分からなかったのですが、なんか描写ありましたっけ?

 

・ベベは結局ミスリード要員だったでOK? あんまり魔法少女にトランスフォームする意味は感じなかったけど。

 

・上手く意識して見れなかったのだけれど、魔法少女たちの指にピンク(だったかな?)の水滴のようなマークや、悪魔化したほむらに記憶を消されたさやかの指に三日月のマークがあったのは何の記号だったのだろう?

 

・エンディングテーマの『君の銀の庭』。歌詞は詳しく覚えていないが、「終わらない始まりの、本当の終わりへ」という一節が妙に耳に残った。この庭とは、ほむらが最終的に作ったあの世界の事なのだろうか……

 

 

 

 

 とまぁ、こんな感じです。

 最後まで読んで頂いた方、どうもありがとうございました!

 ホントね、すぐにでも見た人で集まってベラベラ喋りたいのだけれど、そういう事が出来る友達が地元にいないので、情熱だけでだーーーーーーーーーーーーーーーっと書いてしまいました。誰か、機会があればお話しましょう!w 乱筆乱文失礼。